日本人が忘れかけているインフレ・リスク

年率2%で資産を増やせばいいのか?

年率2%で資産を増やせばいいのか?

安倍政権発足から1年が経ちました。今こそ、意識したいのはインフレ・リスクです。インフレはお金の価値が下がり、物価が上昇することです。

今までがデフレだった日本では、物価上昇をあまり気にしてきませんでした。しかし、人類の歴史はインフレの歴史です。ましてや、アベノミクスでは、毎年2%の物価上昇を政策の目標としているのです。2%インフレに備えることが必要です。

では、自分の資産も2%で増やせばいいということでしょうか?

物価上昇率と投資の収益率が同じだった場合には、名目のお金は増えても購買力は増えません。したがって、投資収益率が物価上昇に食われてしまって、結局は資産は増えていなかったということになりかねません。一般的にいわれる株価収益率には、物価上昇率が含まれています。物価上昇率を差し引いてやると、本当の価値上昇たる実質収益率が計算されます。

20世紀の物価上昇はどんなだった?

たとえば、日本の1951年から2001年までの統計を見てみましょう。この半世紀の間のインフレ率は平均で3.8%!株式は12%上昇しましたが、物価上昇分を差し引くと8.2%(12 − 3.8 = 8.2)。これがインフレ調整後の実質収益率です。国債は半世紀の平均収益率が5.8%でしたから、そのインフレ調整後の実質収益率は、(5.8 − 3.8 = 2%)ということになります。

預貯金では、完全に物価上昇に負けてしまいます。インフレ調整後の収益率はマイナスになるからです。

アメリカではどうだったでしょうか?1925年から2001年までの75年間で、アメリカのインフレ率は平均で3.1%。大型株は10.7%上昇しましたから、インフレ調整後の実質収益率は、(10.7 − 3.1 = 7.6%)になります。アメリカ国債の75年間の平均収益率は5.3%でしたから、そのインフレ調整後の実質収益率は、(5.3 − 3.1 = 2.7%)となります。

物価上昇に打ち勝つために、何をしたらいいのか?実践の課題は次のページで!