資産運用/資産運用の注意点とリスク

投資信託のトラッキング・エラー

投資の理論を学んで合理的な考え方を身につけましょう!そのための大事な指標はベンチマーク。それとのかい離率を示すトラッキング・エラーは投資信託のスタイルを表しています。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

  • Comment Page Icon
投資信託を評価するときに使われる指標に、収益率、標準偏差、シャープレシオ、トラッキング・エラーがあります。今回は、トラッキング・エラーについてご案内しましょう。

ベンチマークとのズレ

新賢明なる投資家 上
FPたちが書いた投資信託のガイドブック
トラッキング・エラーとは、tracking error直訳すれば<追いかける誤差>。何を追いかけているかというと、そのファンドのベンチマークです。すなわち、トラッキング・エラー(T・E)とはベンチマークからどのくらいパフォーマンスがかい離しているかを示す指標です。

ベンチマークとしては、日本株式投信ならTOPIX(東証株価指数)、海外株式投信ならMSCIの各インデックスがよく使われています。これら市場の平均的収益率ともいえるベンチマークと同じように値動きをするのか?あるいはベンチマークよりフレ幅の大きな値動きをするのか?という程度を、トラッキング・エラー(T・E)は示しているといえます。

T・Eが示すファンドの特徴

では、トラッキング・エラーとは、値が小さければ良いのでしょうか?ベンチマークからかい離率が小さいということはベンチマークより大きく下がることが少ないということですから安定的、平均的といえますが、値上がりのときに超過収益を期待することはできません。一長一短といえます。

トラッキング・エラーが大きいということは、ベンチマークを上回る超過収益を実現する可能性があるとともに、下がったときにはベンチマークより損失が大きくなる可能性ももっています。リスクとリターンは物の表と裏の関係なのです。

どちらがいいか万人共通の物差しはありません。基本的には、自分に向いている方を選べばよいのです。リスクを負って勝負したいタイプの人は、トラッキング・エラーが大きい方がインパクトが強いですし、パッシブな運用をしたい人にはトラッキング・エラーは小さい方が安心です。

そもそも、このT・Eの違いがどこから生まれるのでしょうか?詳しくは次のページで!
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます