事故がないのに自動車保険の保険料が安くならないことがあるのでしょうか?
一般的に新規で自動車保険に加入すると通常は6等級から始まり、1年間事故がなければ割引のランクは一つ進み(7等級)、事故があった場合には事故1件につきランクが3つダウン(3等級)するのが原則です。この割引率は等級ごとに異なり、例えば20等級では60%割引になります(逆に1等級は60%割増)。
自動車保険に契約する立場からすれば1年間事故がなければ翌年の継続では自動車保険料が安くなるのは当然で当たり前の感覚だと思います。それでは仮に1年間という保険期間で事故がなかった場合、次の年に自動車保険料が高くなることはあるのでしょうか?
今日はこうした自動車保険と等級(割引・割増の制度、ノンフリート等級制度)、の関係と保険料決定の仕組みについて解説します。
自動車保険料率の基本的な要素
自動車保険料は、そのクルマの型式クラスと自動車保険の等級の割増引で決まっています。クルマのクラスとは型式(車検証に記載されている。洋服でいう品番のようなもの)のことを言い、対人・対物・傷害・車両それぞれの補償ごとにクラス分けされます。またこのクラスは各クルマの型式で自動的に決まってきます。
自動車保険の等級の割増引とはノンフリート等級制度のことで、これは契約している自動車の事故の有無によって決まるものです。
これら2つの要素があなたの自動車保険料の基礎となります。それでは以下詳細をみていきましょう。
自動車保険とノンフリート等級制度
まずは自動車保険とノンフリート等級制度の基礎を確認しておきましょう。前述の通り原則、6等級からスタートして保険期間中に事故がなければ等級は一つ進み、事故があれば3つ等級がダウンします。しかし例外もあってノーカウント扱いの事故や等級据え置き扱いの事故があります。
■ノーカウント事故
事故によって保険金の支払いがあっても、自動車保険の契約上事故扱いにカウントされず翌年も割引が進みます。
• 人身傷害保険のみ使った場合
• 搭乗者傷害保険のみ使った場合 など
■等級据え置き扱い事故
その名と通り「据え置き」ですのでランクアップもダウンもしません。前年の等級と同じ等級になります。
• 飛び石でフロントガラスが割れた場合
• いたずら
• 盗難
• 火災、爆発 など
クルマの修理代などが大きな金額ではないから自動車保険を使わないという選択はどんな事故の場合でもあると思います。このように事故件数にカウントされなかったり、据え置きの扱いになるものもあるので損害保険会社や保険代理店などには必ず確認するようにしましょう。