年金/年金アーカイブ

2005年総選挙特集前編 年金マニフェスト最終チェック!(4ページ目)

9月11日の衆院総選挙に向けて一番気になるのは「年金」なのにニュースでは年金についてよく分からない!各党の年金マニフェストを比較してみます?政党別テーマ別で徹底チェック!

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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社民党・共産党

2大政党制の傾向の影響で近年はややその発言力の低下が見られる社民党(社会民主党)、共産党(日本共産党)ですが、政党としての歴史は長く、その発言は気になるところです。それぞれ見てみましょう。

社民党のマニフェスト

社民党では、昨年の年金改正を改悪だとし、「暮らせる年金」というキーワードのもと再編を提案しています。まず、年金制度の一元化をすすめることを掲げており、独自の2階建てモデルを提示しています。1階建て部分は「基礎的暮らし年金」、2階建て部分は「所得比例年金」と名付けています。

1階建て部分の「基礎的暮らし年金」については全額税方式で誰でも必ず月額8万円を受けられるものとしています。財源は、特別会計を含めた歳出の大幅な見直し、法人課税の引き上げなどをあげ、所得比例部分について企業が負担している保険料(社会保障税)の約半分も投入するとしています。(なお、「社民党総合政策ガイド2005」では所得税についても累進度合いを強め、低所得者層の負担を少なくしつつも財源の一部と記しています)

2階建て部分の「所得比例年金」の仕組みについてはマニフェストではなく「社民党総合政策ガイド」で記述されています。所得に応じた保険料を納めるものとし、パートタイマー等を含むすべての雇用労働者、公務員、自営業者は同率としています。保険料率は現行の厚生年金保険料13.5%の2分の1(労働者分)を基準に調整するとしています。

企業の年金保険料は、労災保険のように雇用労働者の賃金総額に一定比率をかけて算出する方式に変更し、その比率は大企業と中小企業とで差をつけ、企業が負担する保険料は、雇用者、自営業等の区別なく年金制度全体の財政基盤を強めるために使うとしています。

また、個人単位の年金権確立へ制度を見直していく必要を指摘しています。しかし、現状では男女の賃金格差や専業主婦などの立場に配慮し、専業主婦には保険料を求めず、基礎的暮らし年金を支給、また夫婦はそれぞれの年金額を分割してそれぞれが受けるものとしています。

年金制度の一元化については、現制度からの移行期間を5年と明記しています。移行までに、パートタイマーなど非正規労働者の厚生年金加入の促進、年金積立金の運用等についての再検討、社会保険庁の改革を行うとしています。ただし、単なる解体や民営化・独立行政法人化を行うだけではサービスの充実が図れるかは疑問としています。
★政党HP http://www5.sdp.or.jp/

日本共産党のマニフェスト

日本共産党では、昨年の年金改正を白紙に戻し、議論を一からやり直すことを求めています。その中で同党が掲げているのは「最低保障年金」の実現です。これは全額国の負担でまかない、最低月額5万円を保障するというものです。その上に、支払った保険料に応じて一定額が上乗せされるとしています。これにより年金制度間の格差の縮小がはかられるため、いわゆる「一元化」より具体的で現実的な取り組みだとしています。

なお、この最低保障年金の財源については、大型公共事業や軍事費などの削減、大企業や高額所得者へ応分の負担を求める、巨額の年金積立金について、高齢化がピークを迎える2050年頃まで計画的に取り崩す、などをあげています。これにより、給付を減額せずに年金水準の底上げができるとしています。なお、消費税等の引き上げには反対の立場を示しています。

その他、
・低所得者等を対象とした年金保険料などの負担減免制度の拡充について触れています。
・社会保険庁については、年金保険料の目的外の流用や天下り等の癒着をやめさせる、としています。
・国会議員の議員年金制度については廃止するとしています。「国民の税金を1円も使わず、議員の納める納付金の範囲内で運営」する仕組みへの再編を提言しています。

★政党HP http://www.jcp.or.jp/

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