その4:貯金は「銀行のため」ではなく「自分のため」にしている
さて、ここまで「お金を銀行に預けるな、なんてウソだ」という話をしてきました。今までのポイントをよく考えて欲しいのですが、貯金をしている意義はどこにあったでしょうか。すべて、自分の資産を上手に管理するために、貯金の意義があったと思います。
つまり、「貯金をしているのは自分のためである」ということです。自分の資産管理において、意義があれば、貯金をすればいいわけです。逆にいえば自分の資産管理上の意義がないのに無為に貯金のままにしている状態はよくありません。そういう状態は「銀行を喜ばせるためにお金を貯金している」ようなものだからです。
銀行は、あなたに「元本の保証」と「予め提示した金利」を約束します。あなたが負うリスクは銀行の破綻のみであり、銀行が融資をした企業の経営状況や融資の回収などのリスクを直接負いません(回収に失敗した金融機関は破綻する可能性が高まるので、間接的にはリスクを負っているともいえますが)。
仮にあなたの預金の利率が1%で、銀行が企業に融資した金利が3%であれば、銀行は2%の儲けを得ているわけですが、それは銀行のビジネスであって、彼らもたくさんの人件費などをかけていますので、不公平というものではありません。ただ、私達はそういう条件のもと、元本の保証と約束された金利を受け入れる契約をしているということなのです。イヤなら他の金融機関を当たればいいわけです。
銀行のために、むざむざ預金を眠らせて使わせてあげる必要のないことは「お金は銀行に預けるな」でも指摘しているとおりです。私も異論はありません。しかし、それが「お金は銀行に預ける必要がない」と考えるのは早計です。繰り返しますが「お金は自分のために銀行に預けている」のであって、その必要性において、銀行を「利用」すればいいのです。そして利用する意義は大いにある、といえます。
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