趣味は一生で数千万円を使う金食い虫でもある

私たちは日々買い物をしています。しかし、生活に本当に必要なもの、生活必需品だけを買うわけではありません。服だって実用一点張りではありませんし、化粧がなくても生きられるといっても化粧品を選んだりします。

趣味にもお金を使います。映画やアニメを見なくたって人は生きていけますが、流行の映画やアニメのためにお金を払うとしばし創作の世界に入り込み、心が楽しくなります。マンガや小説、ゲームなどにお金を使うのも、コスパだけ本気で考えたら無意味ですが、全く何もやらないという人の方がむしろまれでしょう。
 
趣味

趣味にどのくらいお金を使っていますか? 積み上げて考えるとけっこう大きな金額になるものです。

こうしたお金、実はけっこうかかっています。例えば毎月2万円、服や化粧品、映画、アニメ、マンガ、ゲームなどの趣味に使った人がいたとします。22歳から90歳まで、つまり68年間同じ金額を使ったとすれば1632万円です。ちょっと予算が多い人は、この金額が軽く3000万円になります。

私たちは人生を通じて3億円くらい稼ぐといわれますが、実はそのうち5~10%くらいは「他人からすればムダなもの」に使われているともいえます。
 

趣味をムダなものと決めつけるのはちょっとつまらないが、「他人の目」は考えておく

私はファイナンシャルプランナーですが、こうした出費をムダとは絶対に言わないことにしています。なぜならそうした支出を全否定すると、人の生活は味気ないものになってしまうからです。

ちょっと想像してみてください。
 ・服はユニクロのみ
 ・化粧品はプチプラのみ
 ・有料の配信サービスは全部解約
 ・プレステ等の据え置きゲーム機は全部ダメ
 ・スマホゲームの課金は100円でも禁止
 ・スタバのフラペチーノは禁止
 (コンビニのコーヒーのみ)
 ・というかもうスマホの所有は禁止

みたいなことを次々と言いつけられたとしたら、誰だって怒るはずです。ここまでで怒らない人は、たぶん別のところに逆鱗に触れる出費があるはずです。

ところが一般的に、趣味の予算は否定的です。何十年にもわたって積み上げてきたコレクションが家族に捨てられたり、売らされたりするのが、テレビのネタになっていたりします。酷い話です。私自身、マンガの蔵書4000冊のオタクでもあるので、オタク迫害は耐えられないということもあります。
 

趣味の予算コントロールと趣味を理解してもらう努力が大事

とはいえ、趣味を持つ人にも2つだけ問題があります。それは「趣味の予算コントロールを考える」ことと、「趣味に対する理解を求めるちょっとした努力をする」ことの2つです。

○趣味の予算コントロール
どんなにハマった趣味であっても、予算のコントロールだけは考えておく必要があります。あなたとあなたの家族が生活するのに十分な予算を確保したうえで、趣味予算を設定しなければいけません(それはおひとりさまでも同じ)。

また、「今月」だけではなく「来年」や「5年後、10年後」あるいは「定年後」のことを少しは考えておくと、趣味予算には一定のリミッターがつかざるを得ないはずです。

「リミッターが振り切れているから、趣味にハマったということだ!」と豪語する人がいますが、こういう人は定年後に、趣味を楽しむカネがないことに嘆くことになります。むしろ趣味予算をコントロールすることは趣味を長く楽しむことでもあります。

○趣味に対する理解を得る
趣味はなかなか理解してもらえないものですが、それでも理解してもらう努力が必要です。それを諦めてしまうから、家族にコレクションを捨てさせられてしまいます。

たぶん、分からない相手のほうが多いので、趣味そのものを理解してもらう必要はありません。家族も興味がないことを延々と説明されると、むしろあなたの趣味を憎むようになります。

そうではなく、趣味を通じて自分がまた仕事をがんばる活力を得ている、というようなことを周囲に理解してもらえるように努力するのです。

でもそれは、もしかしたら趣味とは関係なく、時々家族と話し合ったり、一緒の時間をつくったりすることなのかもしれません。帰宅したらずっと趣味部屋に閉じこもるのではなく、家族と顔を合わせて食事や会話をしたあと、趣味に没頭する時間を持つだけでもいいのです。
 

趣味に使うお金をちゃんと「生きた支出」にしておこう

趣味に使うお金が「死んでいる支出」になっている場合、周囲の理解を得ることはほとんど不可能になります。これも要注意です。

私が見たケースでは、プラモデルのマニアですが、組み立てていない箱が山となり狭い家を圧迫しており、家族の不満の種となっていました。「いつかやるから」というには無理があるほどのボリュームでは、どんなに理解を得ようとも苦しい言い訳になってしまいます。

どんなにたくさんの蔵書でも、通勤途中や就寝前に夢中で読んでいることが分かれば、理解は得られるでしょう。「電子化してくれ」と言われるかもしれませんが、読書そのものは否定されないはずです。しかしほとんどの蔵書が、「積ん読」なら家族は趣味を認めないはずです。出費が生きているとはいえないからです。

服の趣味もクローゼットの肥やしが増えるからとがめられるのであって、きちんとおでかけイベントをつくってTPOに合わせて着ていれば、「ああ、服が好きなことはよく分かった」となるはずです。

予算や趣味そのものの理解は、ハマっていない人にはなかなか難しいものです。それに「死んだ支出」は、やっぱりムダなお金の使い道になってしまいます。

ぜひ趣味を楽しみ、趣味が仕事の活力に還元され、かつ家族とも仲良くできる環境をつくってみてください。それはちょっとの努力さえあれば、きっと不可能ではないはずです。
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