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「お金は銀行に預けるな」ではない!?

最近「お金は銀行に預けるな」という本が売れているようです。しかし、お金を銀行に預けることの意味もまたあるのです。「お金を銀行に預けることの意味」を説明してみます(こちらは後編です)。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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その3:貯金とリスク資産の比率で高いリスクも取れる

前ページの「貯金を残してリスクを抑える」の話をもう少し進めてみます。

一口にリスク運用といっても、いろいろなパターンがあります。国内の公社債のみで運用する場合、外国の債券で運用する場合、株式で運用する場合、不動産投信などを組み込む場合などなど、それぞれにリスクの度合いは様々です。

このとき、単純に「自分にちょうどいいリスクの度合いの商品を選ぼう」というのは一般的な考え方です。たとえば投資経験が浅い人が個別株式に手を出す前に株式投資信託を買う場合などです。金融機関のアドバイスでは最近こういうアプローチが多いようです。

しかし、もう一つの方法があります。それは、「購入割合を低くして、高いリスクの商品にチャレンジしてみる」やり方です。このとき貯金の存在が大きな役割を果たします

高いリスクのある商品を全額買うのはちょっと、と考えるのは誰でも思うことです。しかし興味や関心があるのであれば、チャレンジしてみるのも良いことだと思います。そこで、購入割合を検討します。例えば、貯金を90%残して、残りの10%で高いリスクの商品を試してみるような方法です。

たとえば、日本株式の投資信託では年率で30%くらいの下落はあっても(今がまさにそうです)、年率で50%以上下がることはほとんどありえません。仮に?50%の状態を想定しても、500万円の資産のうち、100万円のチャレンジをすれば、損失は50万円、全体で?10%ですみます。

しかし、FXなどのより高いリスク運用を行うのでしたら、投資金額を下げてチャレンジすることが良いでしょう。仮に500万円のうち、50万円だけでチャレンジしたとしたら、買える外貨は500万円分にしかなりませんが(10倍の場合)、仮に全損しても資産全体では?10%ですみ、先ほどのケースと同じ程度になるわけです(個人的にはFXを一般の人がする必要はないと思いますが)。

つまり、本人の興味と関心があれば、高いリスクのある運用商品でチャレンジすることもかまいませんが、その場合は投資比率を控えることで、結果として(=資産全体として)高いリスクを押さえ込むこともできるというわけです。まさに、貯金の効能はここにあり、ということです。

→貯金は銀行のため?自分のため?次ページへ

はじめに貯金はスタートライン貯金を残してリスクを下げる|貯金を多くしてリスクを加減|貯金は自分のためまとめ
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