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「おひとりさま年金生活」はどうなる?!(3ページ目)

「おひとりさまの老後」はやり繰りできるのでしょうか。シングルと既婚者それぞれの老後を考え、その準備方法はあるか探ってみます。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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結婚していた場合の「おひとりさまの老後」はどうなる?

一方、結婚していた場合はどうでしょうか。まず、心得ておきたいのは、「ほとんどの場合、夫より妻のほうが長生きする」ことになるということです。男性より女性のほうが平均余命は長いことがその第一の理由です。先ほど説明したとおり統計的には約5年は女性が長生きすることになります。

第二の理由として挙げられるのは年齢差です。もし妻のほうが夫より年下であればさらにその分「おひとりさまの老後」が長くなる可能性があります。例えば妻が夫より3歳年下であれば、平均余命5年+年齢差3年=8年くらいは「おひとりさまの老後」があるということです。

このとき、もし夫が会社員であって、厚生年金がもらえるのでしたら、夫が先立った後の心配はあまりありません。夫の年金は下がるものの、遺族厚生年金としてその一部を「おひとりさまの老後」に受け取ることができるからです(夫の国民年金分は終了し、厚生年金の約3分の2を受け取るイメージです)。モデル的にはおおむね月額11万円の遺族厚生年金に加え、自分の国民年金分(満額で月額6.6万円)は変わらず受け取れますから、日常生活(月額15.4万円)にはそれほど困らないと思います。

しかし、夫が自営業者であったり個人事業主である場合は、ちょっと注意しなければなりません。それぞれが65歳以降国民年金を受け取る(老齢基礎年金)ことになりますが、夫が亡くなったら夫の国民年金分は終了してしまうからです。国民年金は一人分が満額で年80万円弱ですから、これだけでは暮らしていけません。不足分×「おひとりさまの老後」の年数分くらいの資産を残しておくような財布の管理が必要ということです。

ちなみに、夫の資産を妻が相続した場合は、相続税は1億6000万円まで非課税になりますから、生活に必要な分は妻が相続しておくことで、生活の不安を解消するチャンスはあります。極端な話、夫が先立ったあと残った資産は、とりあえず妻が相続して、自分の生活のゆとりにすべて使い、子どもには、あなたの「おひとりさまの老後」が終わってから資産を分けてもらうような方法もあるわけです。

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