温泉/東北の温泉

蔵王温泉「共同湯」3ヶ所と「高見屋」(3ページ目)

日本でも強い酸性泉で玉川温泉に続いて酸性度2位になっている蔵王温泉を紹介する。足元自噴浴槽の川原湯共同湯と上湯、下湯共同湯。PH1.3の強力な源泉を持っている老舗旅館「高見屋」のレポート

執筆者:郡司 勇


 

 3 蔵王温泉 高見屋 


1. 2号泉 45.1度 H50.1 蔵王一の酸性度 PH 1.30 せせらぎの湯で使用
2. 5号泉 42.8度 H45.38 Al 334.3 CO2 882.2長寿の湯で使用
3. ともに白濁、強酸味、硫黄臭あり



高見1木造3階の高見屋外観
蔵王温泉街の一番上にある温泉宿でその名も高見屋である。木造3階の宿で、古い造りをうまく改修して奇麗な内装になっている。玄関に入ると磨かれた床が光り、床に置かれた照明と、ダウンライトだけの雰囲気を出した室内である。

高見2民家のような内装
ここの源泉に蔵王一の酸性を誇る高見屋2号泉があり。水素イオン50.1mgでPH1.3の日本第2位の酸性泉である。本館は明治の終わりの頃に建てられ、築100年ほどであるが外装内装共に改築され、奇麗な建築になっている。

高見3白濁した樽の露天風呂
PH日本2位の2号泉はせせらぎの湯で使われ1号泉が長寿の湯で使われている。せせらぎの湯はタイルの床に木枠の内湯に円形の樽風呂の露天風呂が付いている。弱く掛け流しにされている。

高見4木の格子が繊細な造りの外観
ここの湯は真っ白に白濁している。特記成分はH 50.1mg Al 206.9mg Fe 92.3mg Cl 817.9mg HSO4 3109mg SO4 1844mg メタ珪酸209.3mg CO2 373mgである。水素イオンが特別に多い硫酸塩泉でほぼ希硫酸に近いであろう。しかし湯は熟成が進み硫黄分が表現に現われて来ており、白濁していた。

高見5せせらぎの湯の木枠の内湯浴槽
硫化水素イオンは15.9mgの含有量である。そのためややマイルドな感触になっている。玄関脇にある木造の湯小屋は長寿の湯で42.8度の高見屋1号泉を入れている。PHは1.3で酸性度は2号泉と同じであるが、水素イオンの含有量は45.38mgで少ない。しかしAl 334.3mg Fe 91.31mg CO2 882.2mgと特殊成分の含有量は多くなっており、アルミニウムの含有量は日本屈指の源泉であろう。

高見6玄関前の長寿の湯浴槽
また温度が低い分炭酸ガスも882mgも含有し炭酸泉の様相も見せる。硫化水素イオンは24.55mgと蔵王でも多いほうで、こちらの湯も濃く白濁している。酸度は強いが硫黄泉の個性も併せ持っており良い。木造の湯小屋で落ち着いた雰囲気で良かった。


蔵王温泉 高見屋
山形市蔵王温泉54
電話番号:(023)694-9333
日帰り入浴 500円 
営業時間  12時~18時 
定休日 無休 
蔵王温泉 高見屋 


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