<郡司> 今年のベスト5は数々の名湯も行きましたが、掛け流しのある温泉センターを入れました。一歩の差で選外になった温泉は夏油温泉、ニセコ薬師温泉、鬼首温泉荒湯地獄、東鳴子馬場温泉などがあります。
前野原温泉 さやの湯処
強食塩泉 23.91グラム 41度 源泉掛け流し浴槽1ヶ所あり 緑白濁し香ばしい香りあり
東京板橋区の街中に温泉ができた。和風平屋の造りでゆったりとしている。ここは源泉掛け流し浴槽があるということで温泉仲間の評判も良い。白湯の浴槽もあるが一部温泉を使っている。壷風呂の3連のものと源泉浴槽からオーバーフローする露天風呂で使われている。循環濾過のものであるが源泉が濃厚なため色と味覚に存在感がある。薄褐色透明、塩味、無臭の湯に加工されていた。
ここの目玉は源泉掛け流し浴槽である。露天風呂の一角に1つだけあり、ここの湯は良かった。加熱しているだけで掛け流しで使われている。41度の強食塩泉で総計23910mgである。 鉄分を4mg含有し緑白濁していた。透明度は30センチほどで新鮮なためにまだ赤くなる前であった。塩味は同じである。匂いが特によく、鉄分と臭素の香りが混ざったのであろうか、香ばしい香りが放散されていた。この一つの浴槽でここの評価はたいへん良くなった。このように掛け流し浴槽を1ヶ所造る温泉センターが各地に造られるようになって喜ばしい限りである。
またここの休憩所の造りが良い。和風老舗旅館のようにたたみ敷きで丁寧にしつらえられた庭園が美しい。湯上りのひと時が充実した。
<藤田> 本当にここの建築は、和風老舗旅館を思わせるもので、都会の温泉とは思えませんね。
温泉は露天の掛け流し浴槽に浸かるまでは、「アレ?」って感じだったのですが、唯一の掛け流し浴槽の湯の、素晴らしい含蓄を感じる香りだけで、温泉好きの琴線に触れる感動があり、驚きました。本当に泉質の違いにこだわる人にお勧めしたい温泉ですね。
第4位 市原温泉 市原天然温泉江戸遊
<郡司>食塩泉 総計11565mg 黒湯の食塩泉 掛け流し浴槽3ヶ所あり 臭素臭あり つるつるやや強し 黒赤褐色 透明度30センチ
千葉県の市原でも海岸沿いの工業地帯の近くにある温泉センター。産業道路として広い車線の16号線から少し陸側に入ったところにある。黄土色の壁に赤い線の入ったカラフルな建築である。総計11565mgの等調性の食塩泉で33.2度の源泉である。毎分479リットル湧出している。
ここの湯は黒湯の食塩泉である。モール泉の濃いもので黒赤褐色(30センチ)で塩甘味のスープのようなおいしい温泉である。匂いは臭素臭であった。露天風呂がすべて掛け流しで良い。
大きな浴槽が3ヶ所に分けられ「さざんかの湯」が主浴槽で、となりに浅い「寝ころび湯」があり、さらに隣にヌル湯の「くつろぎ湯」がある。3ケ所とも繋がっているのですべて掛け流し浴槽である。溢れた湯が床に流れていた。壷風呂も2ヶ所ありこれも掛け流しである。内湯は循環であった。
湯の色が濃いモール泉のような黒湯でありながら、もう一つの個性はつるつるが強く本日7ヵ所廻ったが最高のつるつる度で「つるつるやや強し」と記録した。掛け流しの新鮮さとつるつる感触で高い評価とした。
<藤田> ここは、私はまだ未湯なのですが、郡司さんの評価は高いですね。千葉の日帰り温泉施設では、手賀沼温泉満天の湯が、私のお気に入りです。市原天然温泉 江戸遊にも行って、どちらが良いか是非比較してみたいと思います。