温泉/九州の温泉

湯布院の青い湯と周辺の3湯(2ページ目)

日本でも有数の温泉地湯布院温泉には高温で湧出し青い湯になっている宿が2軒ある、その一つ「一禅」と鄙びた共同湯「加勢の湯」ほか2ヶ所のレポート

執筆者:郡司 勇


 

 3 湯布院温泉 加勢の湯共同湯 (再訪)


1. 熱い湯である。透明、無味、無臭の奇麗な湯
2. 鄙び健在
3. 民芸的な共同湯としては、文化財的な存在である



加勢1
壁が煮締めたような色になった鄙びた外観


山の宿夢想園の近くにある共同湯。開放された共同湯ながら地元専用のような雰囲気である。勝手にお金を入れて入浴する。以前の訪問は夜であったので再訪して外観の写真を撮った。

加勢2
小さな鄙びた湯小屋の風情は絶品である


古い造りの木造の湯小屋で太い梁が妻側に出ていて豪快である。白木の色は瓦の色や茶色のトタンと全く同じように染まり、茶色の外観である。木製の壁は一部トタンで覆われているが、この共同湯は秀逸でこのトタンを改修すれば文化財に近い貴重さであろう。

加勢3
木造りの内部も風情のある鄙び方である。


大事に使われてきた雰囲気があたりに充満している。中に入るとさらに高揚した。白木のままの壁や、男女仕切りの板、そして新しいすのこ板が敷いてある。コンクリートの床と切り石の床が半々で浴槽の縁は昔からの切石であろう。そして浴槽の底は天然岩である。この地に昔から湧出泉があったのであろう。最近はポンプアップしているがその間延びしたポンプ音もカランカランと情緒がある。

加勢4
コンクリートで縁取ってあるが底は天然岩のまま


前回もそうであったが熱い湯で、加水しないと入れない。ずっと源泉掛け流しであったので浴槽全体が47度ほどになっていた。不本意ながら蛇口を開き加水して少々待ち、やや熱めの温度にして入浴した。仕切りの下は男女が繋がっており、加水してもなかなか入浴可能な温度にならない。女性の入浴者はいなかったので、失敬ながら女性用のカランも開けて適温にした。しかし待ちきれずに44度ほどの熱い湯に入浴した。

加勢5
透明、無味、無臭の綺麗な湯


透明、無味、無臭の奇麗な湯で、湯布院はほとんどがこのような奇麗な湯である。しかしこの加勢の湯の存在及び内観の雰囲気は素晴らしく、貴重なものである。間違っても改築されることのないように願いたい。


湯布院温泉 加勢の湯  
 大分郡湯布院町川南394-1
 ■TEL: 0977-84-3111(町商工観光課)
 6:00~10:00 18:00~22:00
入浴 大人100円  




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