温泉/北海道の温泉

函館市内の名湯、秘湯(2ページ目)

北海道の南玄関、函館市内には湯の川温泉という湯量豊富な温泉がある。その中でも素晴らしい銭湯の「日の出湯」と「富岡温泉」そして郊外にある変り種の温泉「西ききょう温泉」のレポート

執筆者:郡司 勇


 2 富岡  掛け流し 


1. 熱い独自源泉を熱交換して使用
2. 掛け流しの温泉
3. 匂いが香ばしく新鮮な湯であった



富岡1
青いタイルの3階の外観




函館は湯の川以外にも温泉が各所に湧出している。有名なのは谷地頭温泉であろう。また函館温泉や昭和温泉などもある。五稜郭に近い丘の上にある富岡温泉は銭湯ではないが温泉センターでもなく、中間の雰囲気をもっている。鉄骨の3階建ての建築で青いタイル貼りの外観である。1階より階段を登り2階が受け付けである。


富岡2
湯口のある高温浴槽




64度の食塩泉で動力であるが毎分600リットルという湯量の多さである。それを熱交換して掛け流しにしている。それでも函館一般の銭湯通り、熱い湯である。浴槽は3つに分かれ高湯、中温、低温と分かれている。高温浴槽に源泉を掛け流しで入れていて順に中、低と流れるようになっている。分析表はなかったがNaCa-Clとなっている表示とNa―Cl,HCO3となっているものとあった。透明、塩エグ味、少鉱物臭であった。湯口は析出物で覆われているが、その他の浴槽はきれいに析出物が付着していないものである。匂いが香ばしいもので新鮮さを感じた。


富岡3
3つの浴槽に分かれている




 3 西ききょう温泉 再訪 



1. 複雑な個性で気に入った
2. 円形土管の変った浴槽が6個
3. 味覚、匂いともに多彩な温泉

西ききょう1
水色の三角屋根の外観




コンクリートパイプを浴槽にした変わり種の温泉で、最初に訪問した時から記憶に良く残る温泉なのは当然である。今回、再度泉質を良く確認したいのと、写真も撮りたいので再訪した。以前訪問したままで、未舗装の道路を少し行くと終点に簡素な温泉施設がある。


西ききょう2
3連の円形浴槽の内湯




大きく西ききょう健康グランドと書かれた水色の建屋である。入口に足湯が併設されていた。内湯、露天風呂ともにコンクリートの円形土管で2メートルほどの直径のコンクリート土管が内湯3個、露天風呂3個と合計6個、3つずつ並んでいる。硫黄を含んだ食塩泉でS―Na-Clである。


西ききょう3
露天風呂もコンクリートパイプの円形浴槽が3つ




成分の詳細はNa 2641 K165 Mg 234 Ca 679 Fe 15.7 Cl 4867 SO4 879 HCO3 1066 であるが特記成分として臭素Br 14.2 硫化水素HS 0.4 H2S 1.7 炭酸CO2 516.2 などの個性的な成分もまんべんなく含有し、複雑な表情を発揮していた。特に記したいのは硫黄分の含有と炭酸である。総計11.2グラムの食塩泉にしては硫黄臭や鉱物臭、渋味やたまご味や炭酸味が混ざっており非常に多彩な個性が混在している温泉であった。


西ききょう4
この湯の個性がたまらない良さである




61度の温度の湯が毎分180リットル湧出しており、透明ささ濁り、塩味+エグ味+渋味+たまご味+炭酸味、硫黄臭+鉱物臭と記録した。湯口は水中にあるが炭酸の気泡が出ており新鮮である。円形土管風呂の変わった浴槽と多種類の成分による複雑な表情で素晴らしい温泉の一つである。




※この記事に書かれている情報は2005年9月時点のものです。ご利用の際には最新情報をご確認ください。


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