析出物の矢立温泉と炭酸の激しい湧出の野湯「八九郎温泉群」
石膏泉の花岡温泉と赤い強食塩泉で激しい析出物の矢立温泉、3箇所の野湯群が集まる八九郎温泉群はジャグジー状態の奥八九郎温泉、析出物大地を作っている奥奥八九郎温泉、湧出量の多い四角い浴槽の八九郎温泉の3箇所である。また山の中の垂れ流し野湯、荻平温泉のレポート
1 花岡温泉 (再訪) 旧川原のゆっこ
1. 石膏泉の奇麗な湯
2. 加熱掛け流しの使い方
3. 小さな共同湯、簡素な造り
民家のような小さな共同湯 |
大館周辺をロケハンしているうちに花岡温泉の看板があり、新施設だと思い入浴した。以前滝ノ沢温泉や川原の湯っこや個人宅のすだれの湯などがあった地域だ。
奇麗な石膏泉が加熱掛け流し |
新設の花岡温泉に近づくとなぜか風景に思い出がある。川原の湯っこのあった地点に似ているなあ、、と思い入浴した。後で近くのラーメン屋で川原の湯っこの改築されたものだとわかった。
湯口から源泉を入れ放し |
湯は当然、川原の湯っこ同系の石膏泉である。41.1度のCaNa-SO4泉で総計2400mg強である。透明ながら、はっきりとした石膏味と少湯の香がある。少加熱して掛け流しである。良い温泉であった。
2 矢立温泉 アクトバード矢立
1. 赤い湯の強食塩泉 炭酸分も含有
2. 加熱掛け流しで床に驚異的な析出物
3. 塩苦味と少炭酸味、金気臭の温泉
4. 飲泉では内臓疾患に効く
赤い屋根の鄙びた宿 |
矢立温泉はオフロードバイクでツーリングしていた時から数えると4回目になる。ここの湯は析出物が多く床にうろこ状の突起が付いているので今回はテレビの特集で析出物の多い温泉として紹介した。
床に驚異的に発達した析出物のうろこ |
しかし昔から比べるとだんだんと炭酸分は減少の推移を見せている。過去の分析表(S43年)では1828mgもの炭酸含有量であるがその後、現在掲示されている分析表では276mgと激減している。鉄分も23.7mgから9.2mgに減少している。総計は16グラムほどの食塩泉であるが、炭酸と鉄が減少しているのは残念である。しかし飲泉すると炭酸味が仄かにわかり、さらに濃い赤褐色になっているので現時点では、存在感は充分である。しかし昔はさらに良かったと言うことであろう。
真っ赤な湯と床の析出物 |
しかし前回5年ほど前に訪問した時より析出物は風格を増し、足が切れそうな温泉日本一であろう。歩いて浴槽に近づくのが危ないと感じる。しかし慣れてくるとこの痛さが足のツボに効くなどと余裕も出て来る。
浴槽の縁は析出物で厚くなっている |
清涼感のある飲み口と甘い塩味はなかなか旨い。この温泉が各種の内臓疾患に効くというのもこの旨さがあってからであろう。源泉温度も31.4度から29.4度に下がっている。やはり上の「道の駅矢立」のボーリングが影響しているのではないだろうか?昔の分析表の頃に再度訪問したいと思う。
析出物の上をこのように掛け流しされる。 |
宿の造りは外観よりも内部が良く、しっかりとした部屋であった。名物のきりたんぽは美味であった。湯は赤褐色濁り(透明度10センチ)、塩苦味と少炭酸味、金気臭と観察した。源泉を掛け流しにし、蒸気で加熱している。加熱を止めてもらい一日かけてゆっくりと浸かった。夏は源泉でも少量の加熱でよいような気がした。加熱は最小でよい。
次は日本屈指の野湯、奥八九郎と奥々八九郎