温泉/東北の温泉

レトロな名湯、木造3階の銀山温泉

東北の温泉紀行は山形県に入った。レトロな木造3階建ての旅館が温泉街を形成し日本でも有数の人気温泉地となった銀山温泉をレポートする

執筆者:郡司 勇


乳頭温泉郷、八幡平、鳴子の温泉巡り8



東北の温泉めぐりをしました。有名処は初期の頃に訪問していたので、ほとんど再訪です。しかし強力な温泉が並んでいるので楽しい地域です。乳頭温泉郷や玉川温泉、八幡平温泉郷の藤七、蒸けの湯、松川、御在所、秋の宮、鬼首、鳴子、中山平、赤倉、銀山など日本屈指の温泉が続出です。

東北の温泉紀行は山形県に入った。レトロな木造3階建ての旅館が温泉街を形成し日本でも有数の人気温泉地となった銀山温泉をレポートする。能登屋旅館は国指定有形文化財に指定されている。

 

 1 銀山温泉 能登屋旅館  建築が素晴らしい。地下の洞窟風呂に入った。
 



能登屋1
塔屋が付いて4階に見える能登屋外観







銀山温泉の街並は素晴らしい。木造3階建ての宿が軒を接して連続して川の両側に並び貴重な温泉街の風情を形成している。その中で能登屋は国指定文化財に指定されており、3階の母屋に2層の塔屋が付いているので5階に見える。その各層に小屋根が迫り出しているので、五重の塔のように小屋裏の木組が連続していて白眉である。

能登屋2
文化財指定の豪壮なエントランス







昔、日本秘湯を守る会を制覇していたときに泊まったことがある。古い木造の3階の部屋で、良かった記憶である。久しぶりの銀山温泉でまず能登屋の地下浴室に入浴した。

能登屋3
洞窟風の地下浴室








以前はモザイクタイル貼りの小さな浴室であったが今回は壁が塗りこめられ、洞窟風の貸切風呂になっていた。蒸発残留物2120mgの含硫黄食塩泉でHS 3.3mg H2S 3.8mgの含有量である。状況によっては白濁するであろうが、この度は透明で、少塩たまご味、硫黄臭であった。

能登屋4
掛け流しの内湯








銀山はしっかりとした塩味と硫黄臭の良い湯である。ここでは59.1度の4号泉の分析表が掲示されていた。

 

2銀山温泉 小関館  白濁の湯、硫黄臭も多い、鄙びた旅館で気に入った。
 浴室も素晴らしい。銀山温泉で一番記憶に残った。 




小関1
昔ながらの凝った外観







銀山温泉では能登屋のほかに永沢平八や源泉館、藤屋など綺麗に使われている木造の3階宿があり、どれも風情がある。どの宿も綺麗に改修されている。しかし中でも昔のままなのが小関館であろう。

小関2
軒を接して建つ銀山温泉郷







古い民家と同様に薄暗い室内と古いままの内装が鄙びていた。小浴室と大浴場の2つの浴室がある。道路沿いの大浴場はやや地下に下るような高さに浴槽がある。昔からのコンクリートのシンプルな浴槽で薄く白濁した湯が掛け流しされていた。

小関3
古いままの内湯に白濁した湯が入っている






温泉は薄白濁であるが浴槽内部のタイルによって灰色に見える、たいへん美しくドアを開けて浴槽を見たとたんに気に入ってしまった。この湯も、はっきりとしたたまご塩味になっていて色と共に味覚も存在感がある。硫黄臭もあり、能登屋よりさらに良い湯であった。


小関4
青く見える湯は薄白濁である。







66度の温泉で3号泉である。蒸発残留物2484mgの含硫黄食塩泉である。HS 5.1mg H2S 7.5mgと分析値も硫黄、食塩ともに多くなっている。宿の風情と浴室の造り、泉質のよさで銀山温泉の中で一番良い評価としたい。

次に続く
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