関西の貴重な野湯、掛け流しの温泉センター
関西で人知れず湧出している食塩を含む強力な炭酸泉の野湯、垂れ流しと、私がプロデュースして完成した掛け流し温泉のレポート
1 クアオルトリバティ 掛け流し浴槽
掛け流し浴槽に入浴。毎分50リットルほどであろうか、
湯口のみ気泡で白濁 匂いは香ばしい。
単純泉の個性のない湯でも掛け流しにすると個性が出て
素晴らしい湯になるのだ。
掛け流し浴槽全景 |
旧特殊プラント工業の丸岡氏が昔に掘削した温泉で、この度丸岡氏の会社が改修を依頼され、私に監修の話が来た。提案としては、「簡素な掛け流し浴槽を造ることが良い」と提案した。そして04年の7月25日にオープンとなった。オープン前の宣伝には私の講演会が開催され、呼ばれたのである。図面などを見ていたが、出来あがったものはかなり費用も掛けて立派な石組の和風露天風呂であった。以前、小さなポリバスで大量に掛け流して入浴した。その結果を踏まえて、小さな浴槽であればかなりのインパクトがあると思い提案した。しかし完成した露天風呂は10人ほど入れる大きな物で、湯量も2つに分けているためにやや少ない。しかしながら湯口は白濁し源泉直の良い香りも感知できた。
弱く白濁した湯口 |
しかし先方の考えもあるようで、いろいろと議論した末の結果である。温泉は完全な掛け流しで湯口は微細な気泡で弱く白濁している。それほど多くはないが湯口近くで時間を掛ければ弱い泡付きも見られる。味覚には淡いたまご味が感知され、分析表には出ないほど少量であるが硫黄分を含有している。
源泉口に触れられる |
匂いは金気と硫黄臭の混じった香ばしいもので良く観察するとわかる微妙な温泉となった。成分の少ない単純泉で総計は318mgである。しかし0.8mgの鉄分や硫黄分も感知できてやはり源泉直接の無加工の湯は良いなあと思われる。ここゆはペットボトルに入れられ透明、無味、無臭のミネラル水としても販売されているが、源泉では個性があるのだ。
次の野湯に続く