温泉/甲信越の温泉

甲州の足元湧出温泉と、ある共同湯 甲州、信州名湯巡り1

山梨県の名湯と長野県の名湯を巡ってみた。記憶に残っていた良い湯や新発見もあり非常に楽しい温泉行脚であった。

執筆者:郡司 勇


山梨県の名湯と長野県の名湯を巡ってみた。
記憶に残っていた良い湯や新発見もあり非常に楽しい温泉行脚であった。
まず山梨県の名湯から、以後蓼科、別所、上山田、五色などと錚々たる長野の名湯に徹底的に迫ります。

1下部温泉   源泉館  
再訪 足元湧出 

夏休みは、長野県山梨県の名湯に再訪するのをメインにしながら、新設の温泉のうち未湯の温泉を巡った。素晴らしい湯が続出で足元湧出源泉と掛け流しの温泉めぐりのような感じを持った。名湯というのはやはり名に恥じず何度行っても新しい発見や見直しがある温泉だと思う。下部温泉は清澄な湯で30度ほどの単純泉であるが昔からの名湯でヌル湯の効果で療養の名湯として知られている。源泉館はすばらしい。別館の神泉に浴室がありコンクリートの素っ気無い外観の建築であるが素晴らしい浴槽を内包している。地下に下るような浴室には岩盤が露出し広い足元湧出の源泉浴槽がある。浴槽の床半分は白木であるが奥の部分は岩が露出していて湯が自噴している。時折り気泡も上がってくるのが見える。木の部分と岩の床の間が一番湧出量が多いらしく足を入れると湯の湧出する流れが感知でき感動的である。この源泉ひとつであるために混浴の巨大な浴槽である。甲子温泉や鉛温泉でもある素晴らしい浴室共通の良いものである。片隅にはこの源泉を奉ったのであろう神社も置かれ神聖な雰囲気である。30.5度のアルカリ性単純泉で総計585.7mgの湯である。以前の観察で記憶では透明、無味、無臭かと思っていたが、毎分415リットルの湧出で新鮮なのであろう、繊細に観察するとわずかな鉱物的な苦味と微量の硫黄臭が感知できた。特記する成分はなく温度による規定である。この源泉館のよさは名湯の名浴槽ながら開放的で日帰り客にとっては良い印象である。朝早くから湯治目的の人が長湯をしている。30度ほどの湯はほとんど水のような冷たさであるが加熱掛け流しの浴槽もあり温まりながら何時間も入浴するのが下部温泉の湯治方法である。湯はあくまで透明で底に見える岩が紫色に見え美しい。素晴らしい温泉で天然記念物的なものであろう。
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます