信州、北陸アビルマン紀行もハイライトを迎えました。
金沢周辺の良い湯ばかり再訪しました。
34犀末温泉 (再訪)
以前夜だったので昼間に再訪した
朝一番に廃業した湯涌温泉の白雲楼に行った。大正ロマンの雰囲気を残す洋風ホテルとしては国内でこれほどの建築はないであろう。強いて言えば宮の下の富士屋ホテルくらいであろう。明治村に移築された旧帝国ホテルと同系の意匠である。国指定の文化財に指定されながら廃墟になっている。この建築は残念ながら、やはり段々と朽ち果てていた。大きな建築で保存にも費用が莫大に懸かると思われる。白浜の川久が現代の楼閣であるとすればこの白雲楼は歴史的な立派な楼閣である。営業している時を知っているだけ非常に残念であった。石川県は予算をとって県の施設とするべきである。さてその意味では全く逆の温泉がある。予算がないが温泉があったために利用施設をつくり素人がバラックを建ててしまった。というもので、全国では数ヶ所にこのような特殊な温泉がある。その中でも神奈川の神山温泉とともに最強のバラックぶりを発揮しているのがこの犀末温泉である。産業廃棄物処理業や整理の悪い現場作業所のような敷地につぎはぎだらけの小屋がありそれが温泉施設である。湯は等張性の食塩泉で加熱した源泉が掛け流しである。個性は少ないが使い方は最良のものである。透明、塩味、無臭と記録した。木枠の内湯と犀川を眺める露天風呂がありそれぞれの浴槽自体はそれほどバラックではないが建築が仮説風ですごい印象を与える温泉である。
35兼六温泉
赤褐色のモール、露天風呂内湯とも掛け流し 有機物は未記入ながら
30から50と思われた。紅茶色が美しい、匂いもモール鉱物臭、
微硫黄臭。総計2909 重曹食塩泉 39度 当りであった。
金沢市内には黒湯の温泉銭湯があり東京や帯広のような都市である。有機物による黒い色の温泉である。金沢の黒湯は前記2つの間ほどの黒さである。帯広が薄く東京が濃くなっている。この周辺の黒湯は石引、レモン、野々市、美川、深谷、倉見などがあるがこの兼六は良かった。午前中に訪問すると清掃中であったがご主人がいらして入浴の許可が出た。39度の含重曹食塩泉で総計2909mgのものである。色が赤褐色で美しいのと源泉掛け流しなので湯表面一杯に泡が立ち視覚的に浴望をそそる。有機物の量は未記入であるが30から50mgだと思われた。露天風呂の日が当っているところは見事に紅茶色になり美しい。モール系特有のつるつるもあった。赤褐色(20センチ)少塩味+重曹苦味、モール系鉱物臭+微硫黄臭あり。と記録した。HSは.02 H2Sは<0.1と微量ながらわずかに感知できた。39度という温度なので非加熱の浴槽がベターである。