信州、北陸アビルマン紀行
今回の旅は野湯があまりにも多く、子供プールや露天浴びをしたところが多かった旅行です。不審者と通報されることも考え、許可取りや周囲の状況などを考え慎重に行いました。源泉の新鮮な湯が多かったので泡付きが至るところで体験できた。写真ができあがりどれも素晴らしい面白いものになった。特に弁天鉱泉下の白い池はたいへん美しい入浴写真となった。
1某温泉垂れ流し ポリバス
真っ黒墨汁状態 ここで使ったタオルの硫黄臭は最後まで
抜けなかった。H2S 60mgくらいと推測 野湯1
連休の3.4.5.と温泉巡りに出かけたがそれほどの混雑もなく順調に予定を消化できた。
長野県は信濃川流域が一番広いと思われる。この川が千曲川になったり犀川になったりして遡上している。地図をみていると地形の褶曲作用が激しいのがわかる。
犀川と高瀬川の関係が面白い。高瀬川は大町から穂高町まで南流し突然犀川となると北流するので地図をみると平行した2本の川の流れが逆になっている。
さて、最初に行った温泉は長野の市街地に近い犀川のほとりにある某温泉である。別名「H温泉」ともいう。この某温泉は犀川の千曲川への合流点に近い下流にある。
豊富な水面をみせて大きな川の姿になった川のほとりである。少量の硫黄泉の鉱泉が河岸の崖より湧出している。
日本各地には至るところに硫黄臭のする水が湧出している。それらは鉱泉として古くから利用されている。その鉱泉を沸かして温泉として現在まで守ってきた宿は、かなりの数があると思う。私はそんな温泉を数多く体験した。入浴した数は100ヶ所は下らないと思われる。
しかし繊細な硫黄臭は鉱泉を加熱したり循環すると消えてしまうので前記の多くは硫黄の個性が抜けて只の白湯に成り下がってしまっているのが多いのが残念である。
そんな硫黄臭のある鉱泉の中でも湯量が少ないとか、地形上不利であったりして現在でも未利用のまま垂れ流されている温泉がある。その中で最強の硫黄泉がこの温泉だと思った。
毎分1リットル前後の鉱泉がコンクリートで固めた斜面から湧出し塩ビパイプから出ている。
露天にポリバスが置いてありそこに入れられているままになっていた。そして強い硫黄臭と鉄分の含有に拠る硫化鉄で墨汁のようになった湯があった。車道の脇なのでときおり車が通りかかり入浴するのに勇気がいる。しかし目の前に車を止め、車内で裸になり置いてあるポリバスに飛び込んだ。
強力な色でモール系の褐色系の黒ではなく墨色の黒である。強いたまご味と硫黄臭の湯であった。
硫黄泉の鉱泉では国内トップクラスの大分の赤川温泉が52mgを誇るが、更に強い匂いなのでおそらく60mgはあるのではないかと思われる。実に温泉規定量の60倍である。
実際このとき使ったタオルは以後硫黄臭が残り、観察が正確でなくなるために以後の温泉巡りでは使用不可になった。結局3日後でも濃厚に硫黄臭を残していた。犀川の眺めが美しい立地である。