温泉/関西の温泉

大阪から神戸は温泉郷である。 阪神と淡路島の温泉1(2ページ目)

阪神地区は温泉郷ともいえるほど温泉が増えた。銭湯が各自掘削して温泉を入れている。どれも良い湯である。また湯量豊富である。赤い強食塩泉とモール系の単純泉、食塩重曹泉が分布している

執筆者:郡司 勇

5湯の花温泉 すみや亀峰庵
 30.5度 透明、無味、無臭 風雅な宿が良い 源泉スタンドあり 浴室の造りが落ち着いていて+5  循環

京都の奥座敷とも言える古い温泉。30.5度のヌル湯が湧出しているが、泉質的には放射能泉と表示している。総計321mgの清澄な湯である。透明、無味、無臭と観察した。風雅な宿で入口は茅葺きの門が風流である。浴室は照度を落とし、大きな石を屏風状に立掛けてあり良い雰囲気であった。女性風呂には桜の繰り抜き浴槽があり名物とのこと。落ち着いた宿である。

6琉璃渓温泉 
 るり渓フラワー温泉とるり渓高原温泉と2本源泉あり Rn泉 篭坊温泉に行こうとするも、普通タイヤでアイスバーンの為、寸前で断念

年末の京都や大阪は峠を越えると日本海気候で既に山々は真っ白に雪化粧していた。この琉璃渓温泉ではまだ路面が出ていたが、この後廻る予定の篭の坊温泉に行く道は、路面が真っ白で、普通タイヤではかなり滑り、横向きになりそうな車を我慢して進むが途中で断念した。予定の草山温泉や国領温泉にも行けなくなった。琉璃渓温泉は第3セクターの大きな施設で総計72mgで149キューリーの弱Rn泉と総計313mgで26.6度、189キューリーの単純泉と2本の源泉があった。共に透明、無味、無臭であるが2つ並べてあると単純泉のほうがやや黄色味がかっているのがわかる。ここの温泉は特に特記することはないが付属の施設でねころびゾーンなる1棟があり、暗い床暖房の部屋と星空のプラネタリウムのような摩訶不思議の部屋があり時間があればゆっくりと休憩したいと思った。

7尼崎戎湯温泉
 42.6度 430リットル 総計442 HS 0.2 H2S<0.1ながら良く出ている 良い湯 掛け流し、薄緑褐色、少たまご味+渋味残る、少硫黄臭。弱いすべすべあり 泡付きあり、記憶に強い湯    

阪神高速で梅田や中ノ島までもどり神戸線で尼崎に行く。尼崎は大阪と神戸の間で、東京では鶴見や川崎のような工業地帯といったイメージがあるが、良好な温泉が湧出している。関東平野では浅いと濃厚な黒湯が湧出し、深く掘ると褐色の強食塩泉が湧出するが、阪神では良質な単純泉または食塩重曹泉が湧出し、本格的な温泉郷の様相をみせる。また尼崎の一部でも、宝塚や有馬のように赤い強食塩泉が湯脈によって湧出している。この戎湯は新築のスーパー銭湯的な施設であるが湯が抜群に良い。総計442mgと薄い物であるがその総量以上に存在感がある。温度が適温の42.6度で毎分430リットル出ているのでどんどん掛け流しされている。やさしい良い湯で一瞬にして好きになった。泡付きと弱いすべすべがあり新鮮さがわかる。HS 0.2mg H2S<0.1mgであるが味覚と匂いに硫黄分が良く感知できる。深い緑色透明、たまご味+渋味残る、少硫黄臭ありと観察した。

8尼崎元浜温泉 
 28.5度 単純泉 透明、無味、無臭 循環 

阪神地区の銭湯で「湯遊びひろば」というネットワークを作っている。その事務局がこの湯あそびひろば元浜である。20ヶ所の加入でそのうち10ヶ所が温泉利用である。そのなかでは元湯独自源泉もあり、明記してある。この尼崎元浜温泉はやや大きめな銭湯で、玄関横に源泉が流され観察できる。個性の少ない湯で透明、無味、無臭で弱い重曹味がかろうじてわかる程度であった。205リットルの湧出であるが循環が残念である。

9クア武庫川温泉
 58.2度 強食塩泉 総計28600 蒸発 30070 CO2 714 玄関横の間欠的な源泉湧出口が一番よい。椿山源泉のような湧出直後の炭酸の白濁した泡がある。臭素臭多し。浴槽は循環か?析出物あり、緑褐色濁り、強塩辛味、少臭素臭。循環だが強力な浴感、口の周りや弱い部分ひりひり、熱い湯   

有馬から続く強力な湯脈が西宮や尼崎にも続いているのがわかる温泉である。以前はアーバンリゾート温泉があったがやめたようだ。このクア武庫川温泉は一般的な銭湯の外観であるが玄関横に湯が自噴している。間欠的な湧出音と湧出直後の炭酸による真っ白に泡だったクリーム状の湯が見えて、入浴前ながら、温泉好きには興奮させてくれる状況であった。顔を近づけると臭素臭があり強食塩泉の本格的なものが判る。浴室は白湯の銭湯がありその一部が温泉になっている。湯が溢れた部分は厚く析出物が溜まり浴槽もコーティングされている。総計30070mgの強食塩泉で温度は58.2度である。この温度であっては一瞬にして飛び去ってしまうが、炭酸も714mgと強食塩泉特有の含有量である。緑褐色濁り、強い塩辛味、少臭素臭と観察した。湯に入ると体感にも沁みる感触があり濃い食塩泉をはっきりと認識させてくれた。飲泉したので口の周りもひりひりして強力な浴感であった。一般にはやや不向きかもしれないが温泉好きには喜ばれる湯だと思った。熱いので弱く掛け流しされていると思われる。
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