中学受験/中学受験の心構え・基礎知識・トレンド

中学受験を取り巻く動向(3ページ目)

首都圏の中学受験者数は、2001年は約41,800人だったのが、2010年は約61,500人に。首都圏の私学志向の高まり。人気校を中心としてこの先も厳しい受験環境は大きな変化がないだろうと考えられます。ただ、低迷状態にある日本経済が、受験に与えている影響も。

野倉 学

執筆者:野倉 学

学習・受験ガイド

関西圏で相次ぐ、大学付属中学の再編・開校

早稲田は摂陵中学と提携し、関西に本格進出

早稲田は摂陵中学と提携し、関西に本格進出

関西圏では公立私立大学付属校の開校が目立っています。特に国公立大学は独立行政法人化の流れを受け、独自性の打ち出し、大学間で少子化時代の生き残りをかけた学生獲得競争の激化が背景にあります。系列中学・高校を巻き込んだ大学の再編の波が起きているといえるでしょう。

その具体的な動きを見てみると、京都成安中学・高校(京都市)は2007年より京都産業大学の附属校となり、校名も京都産業大学附属中学校・高校に。初年度中学入試は大幅な志願者増となりました。同年、立命館大学系列中高一貫校として4校目となる立命館守山中学校(守山市)が開校。これによって、立命館中学校(京都市)、立命館宇治中学校(宇治市)、立命館慶祥中学校(江別市)と、全国で4校の系列校を展開ことになりました。さらに、2008年には平安女学院中学校(京都市)および育英西中学・高校(奈良市)が立命館大学との連携により、同大への進学を可能とする「立命館コース」を設置。
平安中学・高校は龍谷大学(京都市)の附属校、龍谷大学付属平安中学校として再スタートしています。
関西大学も動きが活発化しています。関西大学北陽高校は2010年に中学校を開校、同大学はこれで関西大学中等部、関西大学第一中学校など系列校を増やしました。

神戸大学は既存の発達科学部附属住吉小学校と中学校(神戸市)など付属校4校を再編し、2009年に中高一貫校を開校。2015年度から一般募集が開始されます。
関西学院は2008年に共学の初等部を開校したのにともない、中学部では2012年度より共学となりました。13年度募集定員は男子約95名、女子約45名。帰国生入試も実施(若干名)。一般入試は国・算・理・面接、または国・算・体力テストの2方式(入試日により異なる)。2008年に大阪工業大学高校から改称した常翔学園高校は、2011年に常翔学園中学校を開校しました。高校入学生とは別クラスとなる完全中高一貫教育を実施しています。

校地移転も活発化しています。同志社中学校は2010年に今出川キャンパスから国立京都国際会議場に隣接した京都市左京区の岩倉キャンパスに移転、同志社高校と統合されました。京都産業大学附属中学・高校は2012年に現在の京都市上京区から下京区中堂寺へ。JR嵯峨野線・丹波口駅徒歩4分とアクセスが向上しました。

2006年に小学校を開校した立命館では、10年より中学校への接続をスタートさせました。小学校から大学までの一貫教育の展開にともない、中学・高校を現在の京都市伏見区から長岡京市へ移転予定。時期は当初の2013年から1年延期され、14年9月になる見込み。新校舎では大学レベルの実験室や自習室など施設が充実、また大阪や兵庫県東部からのアクセスも向上します。

こうした大学附属学校の再編・開校、校地移転や校舎改築などの動きは今後もさらに展開されることが予想されます。大学までストレートに行ける中高一貫校は人気を呼んでおり、こまめに情報収集する必要があるでしょう。

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