広がる公立中高一貫校開設の動き
国が10年来の計画で進めてきた公立中高一貫校の開校が続き、東京都ではすでに広くその存在が認知されるようになっています。2013年度現在、都立小石川中等教育学校、都立両国高等学校附属中学校、都立白鴎高等学校附属中学校、都立武蔵高等学校附属中学校、都立富士高等学校附属中学校、都立大泉高等学校附属中学校、都立南多摩中等教育学校、都立三鷹中等教育学校など11校。うち都立南多摩、都立三鷹、千代田区立九段中等教育学校、都立桜修館中等教育学校、都立小石川中等教育学校、都立立川国際中等教育学校は中学のみの募集。
神奈川では2009年に初の公立中高一貫校として、県立相模原中等教育学校、県立平塚中等教育学校が開校しました。2012年度には横浜市立南高校附属中学校が開校。さらに2014年度には川崎市立川崎高校附属中学校が開校する予定。
埼玉は2003年に県立伊奈学園中学校が、2008年にはさいたま市立として初の中高一貫校・浦和中学校が開校しています。千葉では2008年に千葉市立稲毛高等学校附属中学校が、2009年に県立千葉中学校が開校しました。
首都圏の公立中高一貫校の受験動向は、当初は高倍率だったのが近年ではやや落ち着きつつある状況です。といっても、決して“入りやすい”倍率ではないのは確か。都立両国高等学校附属中学校は2011年が8.6倍→2012年は7.4倍、都立小石川中等教育学校は7.4倍→6.6倍、都立大泉高等学校附属中学校は8.8倍→7.8倍、都立武蔵高等学校附属中学校は6.7倍→5.8倍、県立千葉中学校の1次選考は、2011年が3.7倍→2012年は3.6倍、2012年度に開校した横浜市立南高校附属中学校は、定員男女各80名のところ、男子受験者は789名、女子受験者は907名で、倍率は男子が10.1倍、女子は11.1倍となりました。
関西圏では、京都の府立洛北高校附属中学校・洛北高校、京都市立西京高校附属中学校・西京高校の2校が2004年に、2006年には府立園部高校附属中学校・園部高校が開校しています。兵庫では県立芦屋国際中等教育学校が2003年に、県立大学附属中学校が2009年に開校。大阪では大阪市立咲くやこの花中学校・高校が2008年に開校しています。このうち県立芦屋国際中等教育学校だけは完全中高一貫校で、高校での募集はありません、。
以上のような公立中高一貫校開設の動きは、受験者にとっては私立との併願をはじめ学校選択の幅がより広がることを意味し、中学受験に影響を与えていくことになるでしょう。