紅葉の迫る道を奥秩父へ
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| 雁坂トンネル手前にある西沢大橋。10月になれば渓谷の左右は紅葉に染まってくる |
勝沼からは北に向かい、JR中央線塩山駅の西でガードをくぐって県道38号へ。道沿いに見る看板にはこのあたりに多い名字の雨宮さんが目立つ。武田信玄の菩提寺である恵林寺を右に見て、R140に合流する。「雁坂みち」というのは山梨県内でのR140の別名。ここからはずっと道なりだ。それほど急カーブもなく、走りやすい道を登っていけば左右に山が迫り、少しずつ紅葉の色が鮮やかになってくる。
広瀬ダムを過ぎ、広瀬湖を左に見れば道の駅みとみはすぐ。ここは紅葉の名所として知られる西沢渓谷の入口だ。この先しばらくは山あいの道が続くので休憩を。道の駅のすぐ先にある分岐を右に入り、村営駐車場に車を止めてちょっと渓谷沿いを散策してみるのもいい。稜線近い場所から少しずつ紅葉前線が下りて、11月に周囲のカラマツ林が色づくまで。訪れた時期それぞれの秋景色が広がっている。ここを過ぎるとすぐ雁坂トンネルだ。西沢大橋を渡るわずかな間、渓谷の奥に原生林の紅葉が眺められるだろう。
■西沢渓谷
山梨市のオフィシャルサイトにある西沢渓谷ガイド。マップのダウンロードもできる。
1998年に開通した雁坂トンネルは、山梨県と埼玉県を結ぶ唯一の道路。全長6651mは一般国道の山岳トンネルとして日本一、高速道路を入れても第５位という長さだ。高速道路と違って通行速度が低いだけに、やたらと長く感じる。トンネルを抜けるといきなり山また山の景色だ。橋を２つ渡るとすぐ左に「彩甲斐街道出会いの丘」という標識がある。ここはトンネルの掘削残土で作られた平地にある休憩施設。国道の橋が見下ろせる以外それほど大展望が広がる場所ではないけれど、立ち寄ってみよう。２階には周辺の自然を解説した「わさび沢展示室」というのがあるそうなのだが、撮影日にはカギがかかっていて入れなかった。
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| 雷電とどろきループ橋。大きすぎて全体の写真が撮れません。夜のライトアップも美しいとか |
秩父までは谷底の道が長く続くけれど、その中での見どころが滝沢ダム下流にある雷電廿六木（らいでんとどろき）橋。楕円形のループになっていて、雄大な眺めを満喫できる。
レトロな町で絶品のそばを探そう
秩父鉄道の終点、三峰口を過ぎればもう秩父盆地の一角。秩父鉄道はR140と並行に走っているから、家族連れやグループなら数区間だけ別行動を取ってつかの間のローカル線の旅を味わっても楽しい。このあたりになると連休などは交通量も多くなるが、県道72号で荒川の対岸を走れば秩父市街をパスできる。
もっとも、秩父は素通りするにはもったいない町。中心部に車を置いて歩けばレトロ感漂う古い建物が次々と目に入ってくるし、それでなくてもまもなく新そばの季節。秩父名物となりつつあるそばをぜひ味わって行こう。個人的なおすすめは国道沿いの田中屋か県道72号沿いの長尾根、そして定番の武蔵屋といったところだ。
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| 秩父の市街を歩けば発見がいっぱい。ここは昭和初期に建てられたカフェ。今は大衆食堂になってます |
秩父から東京方面へは、そのままR140を北上し、皆野寄居有料道路を経由して関越道花園ICへ。三多摩方面へ帰るなら、飯能へのR299へ向かい、正丸トンネルの手前で県道53号に入るルートもある。ただしこちらは峠道が続くので、僕みたいに運転が苦にならない人向けだ。
■秩父蕎麦伝説
秩父在住の作者によるそば屋食べ歩きレポート。秩父のそばを紹介するサイトはいくつかあるけど、こちらが一番充実してます。
■秩父観光協会
ここでは紹介しなかったけど、秩父も山梨にひけをとらない果実狩りのメッカ。観光農園の情報はこちらで。
■奥秩父 荒川観光協会
現在は秩父市と合併した旧荒川村エリア。10月1日にはそばの花見まつり開催。
■奥秩父大滝 大滝観光協会
こちらは雁坂トンネル北側に広がる埼玉の秘境、旧大滝村エリアの観光サイト。三峯神社周辺をメインとした奥秩父大滝紅葉まつりは10月27日からだが、上流ならそれ以前にも見応えのある紅葉が広がっている。
