実際に試してみました。システムが装着されたクルマでポールを倒し、その効果を見るわけです。いや、それにしてもポールとはいえクルマにぶつけるというのは精神衛生上、すごく悪いですね。本当に、事故はクルマやカラダもそうですが、精神的にもすごく傷つくものだと思います。
さて、実際に行ってみると、おおう! 障害物がなくとも急ブレーキを踏んだだけで、シートベルトがきゅっと巻き上がります。シュッと耳元で音がするのでちょっとびっくりしますが、でも安心感はその何十倍もありますね。ちなみに巻き上げる量は衣類によって違うそうで、やせた人がTシャツ一枚ならそれなりに、太った人がダウンジャケットなどを着ていて、ふかふかしている場合はしっかり支えるために巻き上げ量も多くなるんだとか。
実際の事故では障害物を前にして事故回避操作がなにもできないままぶつかるという人がなんと4割もいるそうです。でも、そういう場合にもこのプリクラがあると、ノーブレーキで障害物にぶつかる前にレーダーが障害物を発見してスピードを落とし、さらにシートベルトも巻き上げてくれるので、ドライバーの被害が低減できるというわけ。ただ、勘違いしないでいただきたいのは、ぶつからないわけではない、衝突を防ぐものではないということ。プリクラの使命はあくまでも被害低減。やはり最後はドライバーが責任を持って運転する必要があるわけです。
それともうひとつ、このレーダーは壁やクルマには反応するけれど、人間や自転車には反応しにくいということ。あくまでも「乗員」を守るものであって、歩行者保護ではないということです。
ここ数年、カーナビや携帯電話などドライバーの集中力を妨げるものが多いせいか、追突事故が急増しています。そういった意味でもこういったシステムは、早く普及してもらいたいものだと思います。
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