布袋戲の木偶の役どころ
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「生」:ヒーローともいえるのが「生」。細かく分けると生には4種類あって、”武生”は武人肌、"文生”は文人肌、”童生”は子供のヒーロー、”老生”は年を取ったヒーローです。生の顔立ちはハンサムで、衣装も格好よいものがほとんどです。顔立ちは現代人に近く、衣装デザインも現代風だったりします。
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「旦」:ヒロインを「旦」といいます。3種類あって、少女なら”小旦”、子供なら”童旦”、老女なら”老旦”となります(老女になると道化っぽいマヌケな役どころになります)。旦は才色兼備で、艶っぽいかと思えばかわいらしかったり、木偶でこれを表現するのが人形師の技の見せどころです。ストーリーを盛り上げるには欠かせない存在が旦です。
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「淨」:ちょっと複雑な役回りが多いのが「淨」。いろんな性格が混ざっているのが淨で、台湾土着のストーリーにしか登場しません。また、いつも顔に化粧をしているのが特徴。黒、赤、青が代表色。
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こちらも淨。顔の半分が黒色の「黒白郎君」という名前で、いつもドクロの馬車に乗っています。化粧の黒色は文武両刀を表します。ある時は善人、ある時は悪人という役どころです。
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「末」:年長者で智慧と経験を備えたのが「末」。生(ヒーロー)に助言したり助けたりという役回りです。ヒゲが全部白髪なら”春公”、よぼよぼの年長者なら”白闊”といいます。
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「丑」:お笑い担当は「丑」といいます。メイクも動作もセリフもユニークで、道化的な役どころ。声が高くてお調子者、ストーリーで笑いの場面を盛り上げるのに欠かせません。
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「雑」:上記のどれにも属さないのが「雑」。意外にも孫悟空、猪八戒もここに属します。和尚さん、道士、妖怪などもここに属し、脇役なことも多いのが雑です。
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「獣」:龍や獅子、虎は「獣」といわれます。忙しく立ち回り、吉祥を暗示する役としても登場したりします。
おおまかに木偶を紹介してみました。現代風の木偶は、オーダーメイドでマニア心をくすぐるアイテムでもあります。一方、昔ながらの木偶は扱いやすさだけでなく懐かしさも手伝って、子供におもちゃとして買い与えている親もいます。
では、後編は、布袋戲を身近に見て体験できるお店を紹介します。布袋戲の魅力にさらに近づいてみましょう。(後編に続く)
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