台中からバスで1時間ほどにある「鹿港」。古い町並みが残るこの小さな街で、懐かしい雰囲気に浸ってみた。
鹿港の歴史<概要>
地名の由来は、諸説あって、かつての地名が鹿に似ていたからとか、台湾中部には鹿が多く棲息していて鹿がよく集まっていた場所だったとか、当時中国へ輸出するために台湾中部の米などが集められた場所でその米蔵のことを”鹿”と呼んでいたことから鹿港となったなどと言われている。三百年ほどの歴史のある街で、日本統治時代には中国との貿易が一時期途絶えはしたが、第二次大戦後再び貿易が復活。しかし結局は国民党政治によって鹿港の港としての機能が停止されて、多くの人が鹿港から他の土地へ流出し、街はどんどん寂しくなっていた。1980年代から少しずつだが観光地として鹿港が脚光を浴び、現在では観光地として台湾全土に知られ、外国からも人が訪れるようになった。
また、映画「小城故事」(1979年/李行監督の作品)のロケ地としても有名で、主題歌をテレサ・テンが歌ったことでも鹿港の名前が知られている。
鹿港は小さな街だから、徒歩でゆっくりと回ることができる。鹿港バスターミナルから徒歩圏内にいろいろな名所があるもが魅力だ。今回は鹿港の名所旧跡を紹介し、次回(2005年8月初めの予定)は鹿港の食べ物と名産品を紹介する。
<鹿港への主なアクセス>
*2005年7月現在の情報につき、変更があるかもしれませんことをご了承ください
<目次>
●<後編>鹿港を歩く【お土産・特産品編】はコチラ。
天后宮
鹿港の媽祖は、1683年に福建省{シ眉}州の天后宮から迎えられたもの。その後、台湾各地にここの媽祖が分霊として広まる。基隆天后宮、新店后儀宮はじめ、遠くは長崎県平戸島川内町、アメリカなどにも広がっている。1725年、天后宮が媽祖廟として建立され、改修を重ねて今日に至っている。中殿、三川殿、後殿、媽祖文物館で構成されており、石彫や龍柱、藻井(天井の彫刻模様)といった彫刻の美しさも楽しめる。
この天后宮には台湾各地からの参拝客も絶えず、特に旧暦1~3月の参拝客数が多い。旧暦3月23日は媽祖の誕生日とされており、当日とその前後が最高の参拝客数となる。
住所:彰化縣鹿港鎮中山路430號
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