台湾の地方にはさまざまな美食がある。今回は、台湾南部の町、萬巒名産のトンソクを紹介。韓国料理でよくみかける、蹄がついたままの、蒸された白っぽいトンソクとはまるで違うのが萬巒のトンソク。飴色に煮付けられたブリンブリンのトンソクなのだ。
トンソクで有名な町、萬巒
民和路沿いに並ぶトンソクの店 |
もともと、トンソクを食べる習慣のあった台湾だが、そのスタイルは、骨付きの固まりを単に甘辛く煮込んだもの。今でもこのスタイルのトンソクが一般的。一般的な台湾のトンソクを食べると、唇がねっとりモッチャリするし、かなり脂っこい。骨付きだから手も油でべたべたに。しかし前出の林海鴻さん、当時、潮州の料理人が作った紅焼猪脚に出会い、そこから自分なりの味付けを研究して、独特のトンソクを作り始めたそうだ。林さんの作るトンソクはちょっと違う、萬巒においしいトンソクがあるぞ、ということで次第に有名になったのだ。
たしかに、食べてみてわかるが、脂身がほどよくてそんなに油っこくないし、骨も少ないから食べやすい。こってり感が少ない分、どんどん口に入る気がする。もちろん、唇もねっとりモッチャリくっつかないし、お箸でつまめるから手もさほど汚れない。
←海鴻猪脚(飯店)の店先
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いざ、トンソクを注文
金だらいの中で注文されるのを待っているトンソク |
←価格表、みえるかな?
また、ツウになると煮込みが終わる出来あがり時間を見計らって、できたてのアツアツを食べにくる。毎日9:00、13:00、18:00頃だそうで、混雑する日は回数を増やす。
金だらいの中から、好みの大きさを選んで量ってもらい、その大きさで納得したらエプロン姿で大きな包丁を持った人に切ってもらう。ターン! ターン!と大きな音に混じって、グギッと鈍い音も。その迫力をまずは見て楽しもう。
「毎日、トンソクを切っていて、腱鞘炎にならないのか」と聞くと、「コツがあるから大丈夫。それより、毎日トンソク食べれば元気元気」って答えが。切っている店員たちの肌をみてなんだか納得。ぷるっとしてつややかじゃないの! コラーゲンのおかげなのかな。
食べるのは店内(カットしてもらって持ち帰りもOK)。店内では、トンソク以外の料理をメニューから注文できる。では、食べてみよう(次ページに続く)。