ミクロの技でマクロの美を表現するモザイク。
数百年の時を超えて艶やかな色彩を放ち続けるその絵画に、
顔を近づけ、目を凝らして見ると、
稠密な色の粒子がつくりだす世界がそこに姿を現す…。
前世紀のイギリス人は、モザイク工芸の不思議な世界に魅了され、欧州旅行の記念品としてイタリアからイギリスへ大量に持ち帰りました。今日残るモザイクの名作の多くがイギリスで収蔵されているのもそのためです。今回は、モザイク工芸の世界を堪能できる、とっておきのスポットをご紹介します。
世界中の至宝が集まるギルバート・コレクション
The Gilbert Collection Somerset House, Strand, London WC2R 1LA ギルバート・コレクションの詳細については、写真をクリックしてください。 |
玉の自然な色合いを利用するフィレンツェモザイク (1 階)
石の自然な色合いと模様が織り成す不思議な世界を上手く利用して、建築物とそれを取り囲む光と影を表現したフィレンツェモザイクの傑作。 |
プラズマテレビのプロトタイプ? - ローマモザイク (2 階)
これがモザイクなのですよ!ルネッサンス絵画の巨匠、ティッツィアーノの肖像画のコピーを、ローマモザイクの技法を使って 19 世紀に製作。 |
モザイクというと床や壁の装飾というイメージが強かった私には、これらの作品との出会いはショックでした。アンティークの本場、ロンドンでならではの出会いだったと思っています。みなさんにも、ぜひ覗いてみていただきたいと思います。
■ギルバート・コレクションでの特別展
アンティーク・ジュエリーに興味のある方にグッド・ニュース!この夏、ギルバート・コレクションでは、コレクター垂涎のお宝が一挙に展示されます。詳細は以下のとおりです。
Masterpieces of American Jewellery
6 月 12 日まで
19 世紀から 20 世紀末までにデザインされたジュエリー 200 点を展示。ティファニー、ハリー・ウィンストンなどのアメリカの宝飾店の他に、アメリカとゆかりの深かったカルチェやブルガリ、JAR などのヨーロッパのブランドの宝飾品を自然、ユーモア、レジャーなどのテーマに分けて展示。
Catellani and Italian Archaeological Jewellery
9 月 18 日まで
19 世紀のイタリアでマスター・ジュエラーと呼ばれた、カステラーニの作品と彼の作品に多大な影響を与えたといわれる古代ローマのジュエリーを展示。