禁断の味……大人気の「人肉パイ」
18世紀末のロンドンで大人気だった魅惑の人肉パイ。画像クリックで詳細がみられます。 |
時は1795年。スウィーニー・トッドは、ロンドンのフリート・ストリートで理髪店を営んでいました。しかし気のいい理髪店主というのは仮の姿。本当の彼は、妻と娘をうばった悪徳判事への復讐の機会を狙いながら、金持ちそうな一見の客の喉を剃刀で掻き切り殺すという残忍な連続殺人鬼だったのです。
一方、通りをはさんで向かい側にパイ屋を構えていたのは、トッドの愛人ラヴェット夫人。まずいと噂だったハズなのに、「特製ミートパイ」を売り出してからは、急に繁盛しだします。その秘密は……トッドの理髪店とパイ屋をつなぐ、秘密の地下道にありました。トッドの理髪店で殺された客の遺体が、地下道を通ってラヴェット夫人のパイ屋の台所へと運ばれていたのです。
そう、ロンドンで大人気の「特製ミートパイ」は、実は「人肉パイ」だったのです!!!
何とも不気味なスウィーニー・トッドのお話ですが、トッドが実在したかどうかは、定かではありません。1802年に処刑されたと伝えられていますが、公式の記録には残っていないようです。
実話なのかフィクションなのか? 本当のところは分からないけれど、この猟奇的なお話が、人々の心を捉えたのは事実。数々の映画やミュージカルのテーマとなっています。最近では、2007年はじめに演出・宮本亜門、主演・市村正親&大竹しのぶでミュージカルが上演されましたね。そして2008年には、ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の映画が公開予定です。鬼気迫るデップ版のトッド、楽しみですね!
ロンドンの怪奇ネタはまだまだ沢山ありますが、今回はこのへんで。それではみなさま、涼し~い夏をお過ごしください。
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