イギリス/イギリスのグルメ・レストラン

『ナルニア国物語』の欲望という名のお菓子

『ナルニア国物語』に登場したお菓子、ターキッシュ・ディライトの「禁断の香り」をお届けします。でも、中毒にならないように、気をつけましょう。

執筆者:平良 淳



『ナルニア国物語』、ご覧になりましたか?
いやぁ、興奮覚め止まぬガイドは、家中の箪笥を片っ端から調べてみたいと思っている今日この頃です。今回は、映画に出てきたお菓子、ターキッシュ・ディライトにまつわる欲望の世界を覗いてみます。

P1. ターキッシュ・ディライトってどんなお菓子?
P2. 欲望という名のお菓子

ショッキングな甘さと香り

Narnia
大好きになるか、大嫌いになるか…、すべてあなた次第。
「ターキッシュ・ディライトってどんなお菓子?」と聞かれると、答えに困るのですが、アイシングをまぶした「ぼんたん飴」のようなもの、と答えています。が、味と香りはぼんたん飴とはまったく異なり、日本人には馴染みのない独特のものです。大好きになるか、まったく逆に、大嫌いになるか、好みによって意見の分かれるところでしょう。

その原料はというと、フォートナムアンドメイソンの「トラディショナル・ターキッシュ・ディライト」の箱の説明書きには、砂糖、コーンスターチ、水、薔薇の香料およびレモンの香料などが記載されています。簡単に言ってみれば、砂糖と香料を水とコーンスターチで固めたものです。ピンク (薔薇の香り) と黄色 (レモンの香り) のターキッシュ・ディライトが一般的ですが、くるみやピスタッチオなどのナッツ類が入っていることもあります。こちらは「くるみゆべし」に似ていて、食べやすいです。

イギリスでは、伝統的な家庭にディナーに招待されたときなどに、食後のティーのお茶うけとして、爪楊枝を刺したターキッシュ・ディライトが出されることがあります。好きなひとは本当に好きなようで、映画のエドのように何個でも食べています。好きなひとが言うには、ターキッシュ・ディライトの強烈な甘さと香りが、後をひくのだそうです。また逆に、嫌いなひとに言わせてみれば、ティーを飲んでも洗い流せない甘ったるい香りが室内用の芳香剤を連想させて、生理的に受け付けないのだそうです。

このお菓子に手を出すと痛い目にあう?

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