映画「ノッティングヒルの恋人」の舞台となった、ポートベロー・ロード・マーケットは、西ロンドンに実在するアンティーク・マーケットで、常設マーケットとしてはヨーロッパ最大の規模を誇っています。その歴史は古く、1860 年ごろに始まったといわれビクトリア女王の時代まで遡ります。
アンティークの本場、ロンドンには他にもマーケットはありますが、ポートベローは、品質を保ちながらも、敷居がそれほど高くなく、足を運びやすい雰囲気なので、観光客にはお勧めです。今回はこのポートベロー・ロードで、上手にアンティーク・ハンティングを行うための豆知識をご紹介します。
ポートベローの 2 つの顔、朝一番はプロ相手、お昼は観光客
ポートベロー・ロードの南端では、野菜や果物、衣類までも! |
マーケットのオープンはだいたい朝の 5 時ぐらいですが、掘り出し物を誰よりも早く見つけて手に入れようと、プロの業者は朝一番に現れ、その後、お昼前後になると、観光客や土曜日には何となくポートベローに来てしまうという、ひやかし客で賑わいます。夕方 5 時前後までお店を開いている人もいますが、多くのお店が 4 時頃には荷物をまとめ始めますので遅くとも、お昼までには出かけることをお勧めします。でも、荷物をまとめる直前には、「捨て値」で売ってくれる場合もありますので、予算に限りのある方は、この時間帯を狙ってみるのも良いかもしれません。
知っておきたい専門用語
ポートベローの高級アンティークショップ、シルバーフォックス |
■ビクトリアン : (1837 ~ 1901) イギリスのヴィクトリア女王時代に作られた美術・工芸品、建築などの様式。
■ジョージアン : (1714 ~ 1830) イギリスのジョージ 1 世から 4 世の時代に作られた美術・工芸品、建築などの様式。
■アール・ヌーボー : 19 世紀の末から 20 世紀初頭にかけて、主にフランス、ベルギーで起こった装飾美術の様式で、曲線的でデコラティブなデザインが特徴。
■アール・デコ : 1920 年代から 30 年代にフランスを中心に流行した装飾美術の様式で、幾何学的でシンプルなデザインが特徴。
■リプロ : リプロダクションの略。いわゆる偽物。
ホールマーク (刻印) と年代は必ず確認しましょう
気に入ったものが見つかったら、まずは許可をもらってから、実際に手にしてみましょう。 |
上記のイギリスの正式な Assay Office のホールマーク以外にも、 銀のホールマークには 935、925、800(1000 の 1 の含有率)や金のホールマークには 9ct、15ct、18ct などと簡単な刻印がされている場合もあります。これは Assay Office 以外で刻印されたもの、あるいは外国製のものです。 また、その他の金属製品、陶磁器、ガラス製品、宝石、家具などは美術書やアンティークの本などで知識を養うしかありません。また、金銀であっても古いものの中にはホールマークの付いていないものも多くありますし、古く見せかけた巧妙な手口の偽物などもあります。特にジュエリー関係にはこの手の問題が多く、信用のおけるディーラーから購入される事をお勧めします。
お勧めアンティーク・アーケード
ポートベロー・ロード最大のアンティーク・アーケード、アドミラル・バーノン |
■Roger’s Antiques Gallery / no.65 : ポートベロー・ロードを歩き出して最初のアンティーク・アーケード。人気が高く朝 7 時のオープンにはディーラーの列ができます。
■Good Fairy : 狭い通路わきにテーブルがひしめき合っているといった、いかにもマーケットらしいアーケード。観光客に人気があります。
■Silver Fox Gallery / no.121A : 寄り抜きの高級アンティーク・ジュエリーのテナントを集めたハイクラスなギャラリー。
■Admiral Vernon Antique Market / no.141~149 : 映画「ノッティングヒルの恋人」の冒頭に登場したポートベロー・ロード最大のアンティーク・アーケード。中央には日本人のテナントもおり、日本語で安心してショッピングを楽しめます。