2/3 伝統もモダンも！本場で食べたい香港飲茶 [香港] All About

田園風景を眺めながら、飲茶を楽しむ「端記茶楼」

厨房の片隅に積まれている野菜は、近所の農家から届けられた新鮮なもの

老舗と言っても、都心と郊外ではそのカラーというのは異なるもの。「端記茶楼」は郊外にある、それはそれはのどかなお店。香港では珍しく田園風景を眺められる3階建てのお店です。最上階には鳥籠が吊るされ、小鳥たちが美しい声を響かせています。これは、近所に住むおじいちゃんたちが持ち込んだもので、老人たちがお茶の時間と同時に楽しむ趣味の一環なのだとか……。

お茶はセルフサービス。大帽山の天然水で淹れよう

初めてこの店を訪れる場合でも、お年寄りたちは温かな笑顔で迎えてくれます。テーブルにつけば、目の前にはのどかな田舎の景色が広がり、開放的な気分にさせられます。オーダーはテーブルに置かれたメニュー表に書き込んで。グランドフロアで直接注文することもできます。

周囲に野畑があるだけのことはあり、点心の素材もオーガニック。農家から譲ってもらった青菜を茹でた「郊外油菜（ガウオイヤウチョイ）」は、ぜひともいただきたいメニューのひとつ。香港最高峰の山、大帽山の清らかな湧き水で淹れたお茶とシンプルに楽しみましょう。ぎっしり具が詰まったちまき「糯米雞（ロマイガイ）」やうずらの卵がのっかったシューマイ「鵪鶉蛋燒賣（アムチョンダンシュウマイ）」（HK$12、160円相当）、ふんわりやさしい食感と卵の美味しさが詰まった「馬拉糕（マライゴウ）」（HK$10、135円相当）もおすすめです。

＜DATA＞
■端記茶楼（ショイゲイチャラウ）

所在地：57-58 Chuen Lung Village, Route Twisk, Tuen Wan, NT

TEL:2490-5246

最寄り駅：荃灣（チュンワン）からミニバス80番で10分

離島、坪洲にあるローカルな老舗「勝興茶室」

巨大な蒸籠を開けた瞬間に漂う湯気が食欲を誘う

香港島からフェリーで30分ほどのところにある小さな島、坪洲。素朴なこの島のあぜ道沿いにある創業60年の小さな家族経営の食堂「勝興茶室」も、美味しい点心が味わえる名店のひとつ。

今回ご紹介するお店の中でもとりわけローカル色が強く、外国人の姿はまず見ません。朝が早いお年寄りの生活スタイルに合わせて早朝3時半から点心を作り始め、ラストオーダーはなんと午後1時という、地元に根付いたお店なのです。

できあがった点心は蒸し器から大きなせいろに移し、2段の台車に載せられて食卓へ。皮が一枚一枚はがれる「蓮蓉飽（リンヨンバウ）」は、蓮の実のあんに黄身がちょこんとのっていてほどよい甘さです。また、シューマイの生地でもち米や豚肉などを包んだ「糯米包（ロマイバウ）」も名物のひとつ。ぜひ試してみてください。

＜DATA＞
■勝興茶室（シェンヘェンチャサッ）