香港の外国人家政婦さんたちの給与は非常に安く設定されているように思えます。
衣食住が雇い主に負担されているとはいえ、規定により3670香港ドル(約5万8千円)が最低月給となっています。
●問題がないわけではありません
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大多数はこの金額を受け取っていますが、場合によってはこれより低い金額しか支払われていない場合もあります。
あるいは雇い主から虐待された例などが、年に必ず数回はニュースで取り上げています。
●倹約を強いられる、大多数の家政婦さん
出身国の物価水準から考えたら高給とされる家政婦さんですが、物価の高い香港で過ごすには倹約しないと、お金も貯まりません。
本国に残した家族を経済的に支えている立派な家政婦さんたちなのです。
そんな、倹約を強いられている家政婦さんたちをデモ行進にまで、駆り立てた問題がいま注目されているのです。
●香港は所得税が割安なはず
財政赤字に悩む香港政府。低税率がウリでもある香港では、単身者の場合、月給9000香港ドル(約14万4千円)までは所得税はまったくかかりません。
家族のいる場合、住宅ローンのある場合など、これに加え様々な控除額を加えることができるため、免税額は更に増えていきます。不況により税収が思うようにいかないのは、日本だけでなく香港も同じです。
●新税登場か?激怒する家政婦さんたち
そこで、新税を政府が発案したのです。それは外国人家政婦さんから1人毎月500香港ドル(約8000円)程度の税金を徴収することだったのです。
当然、猛反発の家政婦さんたち。なぜ、家政婦さんとして雇われているだけで、一般の市民の課税点よりはるかに低い収入しかないのに、自分たちが課税されなければならないのか、と。
●強気な香港サイド、でもデモ・反対活動は続く
現在、家政婦さんの休日には頻繁にデモなどの抗議活動などが行われています。
また、フィリピン政府もこの問題に抗議をしているのですが、香港政府側は、これが受け入れられないのなら、他の国から採用枠を増やすだけ、と大変強気です。
さて、この新税は実現してしまうのでしょうか?彼女たちは自由貿易港、香港の犠牲にならざるを得ないのでしょうか?今後に注目したいと思います。