そして、隣はボーリング場とゲームセンター。ボーリング場にはカラオケ付きの貴賓レーンなども存在しスペースを活かした贅沢なつくり。利用促進のためか、ボーリングをすると赤ワインがグラス一杯サービスされるのは少し不思議。
最後の施設はレンタカーと中古車センター。複数の中古車店が出店し、おびただしい数の乗用車が所狭しと並び、試乗のため何台もの車がターミナル内をゆっくりと動いているのだ。
さて、果たして空港であった証は取り除かれてしまったのだろうか、と思いきや周囲を見渡すと中古車の隊列の後ろに、搭乗ゲートをそのままの形で発見。このままどこかへ出発できるくらい完全な保存状態。ガイドの僕にとっては、新入社員時代の思い出深い光景が少しだけでも保存されていて感激ひとしお。
さらに一部には旧空港の案内表示がそのままで残されている場所もあったりして、商業施設とのミスマッチが香港らしい。部分的な改装なのは、やはり旧空港地区も再開発計画があり、施設が壊されてしまうのが時間の問題であるため、経費をかけない再利用にとどめているからなのである。
再開発後は住宅地、および体育・文化施設とオフィスビル、などの建設が予定されているので、旧空港の雰囲気を感じるなら今がラストチャンス。滑走路のあった場所は現在、露店が建ち並び、比較的混雑の和らいだ状態で買物が楽しめ、そして年に数回だけ中華系歌手の屋外コンサート会場にも利用され、イベント会場として隠れた観光スポットになっている。
九龍地区からならタクシーやバスで10分もあればたどり着ける旧空港。是非、次回のお休みの際に、過去の香港を旧空港で探してみませんか?
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