コアラの体毛は超ハイテク技術も真っ青!?
南の地区のコアラは毛足が長め
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コアラを触るとわかると思いますが、コアラの毛はモコモコとしていて弾力があります。この毛を顕微鏡でよく見てみると、コイルのようにくるくると細かく縮れているのだそうです。コイル状になっていることにより、毛と毛の間にたくさんの空気を含ませる事ができ、寒さ暑さを凌げる上、雨を弾き返すこともできるという、ハイテク技術も真っ青(?)な凄い毛なのです。
※是非一度、コアラを触ってみてください!>>超フワフワ♪コアラ抱っこのできる動物園
オーストラリアでもコアラがいないって本当?
オーストラリアならどこにでもいると思われがちなコアラですが、前ページでも触れたようにあんまり暑いところや乾燥しすぎたところは苦手。西オーストラリア州とノーザンテリトリー、カンガルー島など一部のエリアを除く南オーストラリア州、タスマニア州、そしてクイーンズランド州やニュー・サウス・ウェールズ州内陸部も本来コアラの生息域ではありません。そして意外なことにケアンズのある北部エリアにも、野生のコアラは生息していないのです。
そんな中、南オーストラリア州カンガルー島では、野生のコアラが島のユーカリを食べつくほどの勢いで猛繁殖中!……なのですが、実は本来南オーストラリア州に生息していたコアラは、1920年代の行き過ぎた狩猟(毛皮目的のため)によって絶滅してしまったのだそうです。現在、カンガルー島とその対岸部あたりに生息するコアラ達は、お隣のビクトリア州から移入された後、繁殖した子孫達なのです。
おっぱいは袋の中!? うんちが離乳食!? コアラ子育て事情
有袋類とはいえ、一応は哺乳類でもあるわけですが、そのおっぱいがどこにあるかご存知ですか? コアラの胸やお腹などの前の部分を見ても、おっぱいは見当たりません……。じゃあ、一体どこにあるのか?
コアラは有袋類であるため、袋の中で赤ちゃんを育てます。意外や(?)有袋類のおっぱいは子育てする袋の中=育児嚢(いくじのう)にあるのです!その袋の中で生活するのは、約6ヶ月間。半年近くずーっとお母さんのお腹の袋の中で守られている赤ちゃんコアラ。安全保証付きで幸せですね。
そして、離乳の時期。母コアラは、自分が食べたユーカリを腸内で半消化し、おしりから出したものを赤ちゃんコアラに食べさせます。そうまるで、うんちのように。これは「バップ」と呼ばれ、人間的に言えば離乳食。こうして、母コアラからユーカリを消化するのに必要な微生物を(うんち状のものから)受け継ぎ、毒性の強いユーカリを安心して食べられるようになるのです。
偏食家コアラとウォンバットは親戚
コアラと親戚ウォンバット
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1000種類以上もあるというユーカリの中でも食べるのはほんの数種類のみという偏食家(?)でもあるコアラくん達。動物園などでは、その食料を入手するのが一苦労とか。でもそんなわがまま(?)も、一目その姿を見るだけで許してしまえるほどの可愛さで、役得とはこのことでしょうか?
そして、地面を這い回るウォンバットと一生のほとんどを木上で過ごすコアラは親戚。生活スタイル等が違っていても、ウォンバットはコアラに一番近い有袋類なのです。ウォンバットもずんぐりした体型でかわいさ満点!でも、毛質はコアラに比べるとちょっと硬め。ユニークで日本のファンも多いウォンバットについては、また回を改めてご紹介できればと思っています。
【関連リンク】
▼超フワフワ♪コアラ抱っこのできる動物園
▼オーストラリアの野生動物たち
▼野生動物の楽園・カンガルー島 …ビクトリア州から移入したコアラが島のユーカリを食べつくほどの勢いで猛繁殖中!コアラくん達は相当この島が気に入ったよう。
▼夜行性動物を探すナイトサファリ
…ゴールドコーストで夜のコアラの生態を観測!
▼タスマニア・クレイドル山 本物の山の休日を過ごす贅沢な宿
…ほぼ100%野生のウォンバットに出会える!世界遺産でもあるタスマニア州クレイドル山にある夢のようなマウンテン・リゾートを紹介。