オーストラリアでも発生した「振り込め詐欺」、「オレオレ詐欺」事件
2004~2005年には、シドニーやメルボルンなどの都市部、そしてケアンズなどでも日本人被疑者による「振り込め詐欺」、「オレオレ詐欺」事件が発生しました。これらの事件は、海外と言えども日本人が日本人を狙うわけですから、なんとも悪質。
もちろんオーストラリアだけに限ったことではなく、世界各国で同様の事件が発生しているのですが、オーストラリアはワーキング・ホリデーなどで長期間滞在する若い人達も多いことから、心配でつい振り込んでしまう親御さんも多いよう。そこで、ケアンズとメルボルンで起きた事件の概要を検証、そして被害に遭わないための対策を考えてみました。
ケアンズで起きた「振り込め詐欺」
観光で訪れていた日本人女性の実家(高知県)に、午前9時頃電話があり、はじめに「お母さん、助けて。お父さん、助けて。」と被害者を演じる女が泣きながら助けを求め、続いてヤクザ口調の男が、「お宅の娘に車をぶつけられたんで、誘拐して連れ回している。200万円払え。」と脅迫。電話に出た家族が「そんな金ない。」と言うと、男は一旦電話を切り、再度電話で「50万でいい。」と要求。心配になった家族は指示に従い、50万円を指定口座に送金。同日午後4時頃にようやく娘(ケアンズを旅行中の女性)と連絡が取れ、無事に旅行していることを確認。被害届けを提出。
メルボルンで起きた「振り込め詐欺」
「東京の警察の清水」と名乗る男から、「オーストラリアにいる息子さんが交通事故を起こしてしまった。相手はたまたま日本人の旅行者で、事故の後東京に帰ったが、事故は息子さんに一方的な過失がある。車の修理代や治療費に274万円かかるので今すぐ指定する口座に現金を振り込んで欲しい。」との電話。続いて本人に成りすました別の男が電話に出て、泣きじゃくりながら「大変なことをしてしまった、一刻も早く金を振り込んでくれ。」と繰り返し一方的にまくし立てると言うもの。 執拗に早急な振込みを求めたことに不審を抱いた家族が、メルボルンの息子夫妻に連絡し、「オレオレ詐欺」であることが判明。
この他にも、メルボルンに留学中の女性の実家に、同年代の泣きじゃくる女性の声で「男から車に連れ込まれて監禁されている。逃げられない、助けて。」との電話。電話を受けた母親はすぐに折り返し娘の携帯電話に電話をしたが繋がらず、直ちにメルボルン総領事館に連絡。総領事館で在留届に基づき、関係先に緊急照会したところ、該当の女性は学校で授業を受けていることが判明。 いたずらであることが判ったというものも。
被害に遭わないための対策
海外へ出掛ける前には必ず、連絡先や日程等を家族に伝えておくこと。海外にいる間は、きちんと領事館等に在留届けをし、家族との連絡を頻繁に。そして「振り込め詐欺」、「オレオレ詐欺」と思える電話を受けた家族の方は、まずは慌てず、海外のお子さん等に連絡するのが賢明です。
また、海外で起きた事件にも拘わらず、日本で使われている携帯電話の番号から電話がかけられていたり、振込先が日本国内の銀行口座となってるケースがほとんど。そのあたりもキチンと確かめて。
【関連記事】
▼留学生やワーキングホリデー、駐在員の家族も被害者 オレオレ詐欺<海外版>にご用心 by All About 短期留学・ホームステイ