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オーストラリアの中にある小さな日本でお花見 まんま日本!カウラ・さくら祭(2ページ目)

日本とは季節が逆のオーストラリア。日本が秋に向かうこの時期、街中がサクラ色に染まる桜祭が開かれます。なんとそこには、“日本の領土”があるのです!そんな知られざるオーストラリアの中の日本をご紹介します。

執筆者:平野 美紀

オーストラリアの中の小さな日本

日本とカウラの関係

日本とカウラを結ぶもの……実は、カウラは、第二次世界大戦時下、日本人捕虜収容所が作られたところだったです。 捕虜の大半は、今では「月への階段」で知られるブルーム等で真珠貝を採取していた日本人移住者で、その後、捕虜となった日本兵も収容されました。

そのカウラ捕虜収容所から、日本兵数百人が脱走するという、通称「カウラ事件=カウラ日本兵集団脱走事件」が起き、大きくその名を国内外に知らしめる形となったとか。脱走兵378人のうち、231人が死亡、オーストラリア人数人も死亡したという、オーストラリア軍事史上類をみないこの脱走事件は、オーストラリアの人々にも衝撃を与えました。

戦後、収容所廃止に伴い、跡地を戦没者霊園とし、敷地内には、オーストラリア唯一の日本人戦没者霊園/Japanese War Cemeteryも作られました。

オーストラリアに突如現れた“日本の領土”?

この日本人戦没者が眠る霊園=Japanese War Cemetery は、1963年、日本に譲渡され、今でも(一応)日本の領土ということになっているのだそうです。詳細は、こちらで

そんな、日本とカウラの歴史の1ページを忘れないために、そして2国間の繋がりを深める友好の証として、周辺に日本庭園や日本文化センター等、日本関連施設が作られました。そして、カウラの街中には、日本とオーストラリアからの寄付により、日本から取り寄せた桜が植えられた並木道「Sakura Avenue=桜通り」も作られ、毎年春になると美しい花を咲かせてくれているというわけです。

現在、このオーストラリアの中の小さな日本は、地元の人々からもおおいに親しまれ、街のシンボルとなっています。

【カウラを知るための参考サイト】
日本との結びつき -二つの世界大戦-
オズ・プロジェクト「カウラ市の紹介」
カウラ 日本人捕虜集団脱走事件

…と、ちょっと堅苦しい話になってしまいましたが、こうした歴史については、私達は知っておかなければならないこと、けっして忘れてはならないことのひとつ。かといって変によそよそしくする必要もなく、今のオーストラリアの人々はほとんど、日本びいきでもありますので、このカウラの『サクラ・マツリ』や日本に関わる様々な施設等訪問をきっかけに、より一層、2国間の絆を深めてもらえたら…と思います。

近年ワイン産地としても注目されているカウラ

ワイン&グルメも見逃せないカウラ

近年、ワイン産地としてもメキメキと頭角を現しているカウラ。 実は、美味しいワインや食=グルメも見逃せません!

元々果物をはじめとするファーム(農園)が集中していたエリアだけあって、採れたて新鮮なものが直で手に入るわけですから、美味しくないはずがない!!だから、国内でもフード&グルメのディスティネーション=旅行先として、徐々に人気が高まりつつあります。行くなら今がチャンスかも?

日本では、秋風が吹きすさぶ(?)この季節、地球の裏側=南半球で、満開の桜を愛でながら美味しいワインで乾杯。これは、もうたまりません!!

日本の秋にオーストラリアへ旅するなら、このカウラの『サクラ・マツリ』を計画に入れてみるのも、なかなかオツなもの。今年はもう間に合わないかもしれませんが、来年の旅先に一考してみてはいかがですか?

【関連リンク】
ニュー・サウス・ウェールズ州各地の観光地案内
オーストラリアのグルメ
月への階段・ブルーム

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