バチカン美術館の周り方のコツ
世界中の人々が憧れる貴重な芸術作品の宝庫、バチカン美術館の見学は、時間があれば1日でも2日でもかけて、じっくりとみたいモノですが、現実はなかなかそうもいきません。人気のある見どころを中心に、ときどき立ち止まってじっくり鑑賞しながら、普通の速度で歩いて、だいたい3~4時間位が見学の目安。実際のところ、混雑時は見学コース全体が、「流れるプール」のように流れていきますので、その流れに乗っていくとだいたい3~4時間位になるわけです。
全部見たい!なら速度を速めてガンガン進む。的を絞ってじっくり立ち止りながら「流れるプール」に乗って、お散歩がてらに……など、楽しみ方は自分次第。初めてなら、「流れるプール」に乗りながら、最も重要な作品で足をとめるパターンがおススメです。
バチカン美術館の押さえておきたい名作品
これらを見ておけば「バチカン美術館に行った」と言いきれる重要な作品群がこちら。■ピオ・クレメンティーノ美術館
バチカン所有のギリシャ・ローマ時代の重要な彫刻群が並ぶ美術館。ユリウス2世が運び込んだ「ベル・ベデーレのアポロ」と肉体美がスバラシイ「ラオコーン像」。
■地図のギャラリー
入口から階段を上ってラファエロの間に向かう途中にある廊下が「蜀台のギャラリー」「タペストリーのギャラリー」などになっています。豪華絢爛さにため息をつきながら見学を進めると、廊下は自然に「地図のギャラリー」に。「地図の向き」や「各地の大きさ」から時代をうかがい知ることができてなかなか楽しい。そして、この地図のギャラリーの天井の美しさも必見です。
■ラファエロの間
ユリウス2世の部屋だったところの壁にラファエロが描いたフレスコ画が残されています。教科書で見た「アテネの学堂」が目の前に! 興奮に包まれた見学者で特に混雑している作品のひとつ。見逃せません。
■システィーナ礼拝堂
バチカン美術館の代名詞とも言える最も重要で人気の高い作品、ミケランジェロの天井画と「最後の審判」が描かれた美しい礼拝堂。現在もローマ法王の選挙が行われる重要で神聖な場所です。
■ピナコテーカ
レオナルド・ダ・ヴィンチの「聖ヒエロスムス」やラファエロの「キリストの変容」など、重要かつ貴重な絵画が見られます。時間がある人はぜひともこちらもお寄り下さい!
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