客室は全部で4つ。どの部屋もフローリングに、ふかふか羽毛布団のベッドで、清潔感たっぷり。
500年間建っているという頑強な石の家屋の中は、以外にも新しい香りが漂っているのでした。
大きなキッチンとダイニング。宿泊客用のサロンには、巨大なプレセピオが飾られていて、
「信心深い南イタリアっぽさ」もあります。
2階は家族のプライベートスペースですが、ナポリ湾を一望する見晴らしのいいテラスへは、
宿泊客も自由に出入りできるようになっています。
本日の宿泊客は、カップル3組。ドイツからのイタリアファンのご夫婦、
サンフランシスコからの新婚旅行のカップルは、南イタリアが好きな日本人×先祖がイタリア人のアメリカ人
、ローマから常連客のイタリア人×イギリス人のカップルのカップルづくし。
なかなかインターナショナルです。
夕食時に、他の宿泊客と顔を合わせることになりますが、イタリア好き(特に南)という共通の趣味(?)から、
盛り上がりを見せるもの。会話は基本的に英語ですが、イタリア語、ドイツ語、日本語でも
「美味しい」話はなんだか通じるので不思議。
話題の中心は、もちろん!お母さんのイ-ダさんが作るイタリア家庭料理。
「オリーブオイルはどこのですか?」「家の畑でオリーブも作ってるのよ」
「このワインの銘柄は?」「ブドウも家の畑で取れるから、家族で飲む分は作っちゃうのよ」
レモン畑の上にブドウ畑がある、という2重構造の畑が今ひとつ想像できませんが、
「ブドウは太陽が必要だから、レモンの上だと太陽に近いでしょう?」と、
こともなげに言ってのけるジュゼッペさん。「明日の朝食の後、畑を散歩して見てご覧。」
「ところで、このワイン・ビネガーも?」「ワインにできないブドウを使って作るのよ」
「・・・もしかして、この鶏肉も・・・」「家では鶏も飼ってるのよ。今朝絞めたばかりよ」
「このパンは・・」「キッチンに窯があるのよ。薪で焼いてるから美味しいでしょう」
サラダもトマトも全部自家製。
デザートは輪切りにしたレモンに砂糖をかけた「le fette di limone con lo zucchero」。
まさか、砂糖も?!「砂糖は買ってくる」の答えになんとなくホッとした一同でした。
コーヒー、砂糖、塩以外はほぼ自家製。こんな滅多に経験できない興奮の前では、何語しゃべってるか、
なんて問題は対したことじゃなくなるわけです。「太陽の下で、
海を見ながら、こんな身体にいいもの食べて!贅沢ですねえ。」
ため息混じりのコメントにお母さんもジュゼッペさんもツヤツヤのお肌をさらに輝かせながら、
「当たり前のことを続けていたら、今は珍しいことになっちゃって・・。
いやあ、儲かる儲かる。ハッハッハ(←
ウソ。そんなことは言ってません。そう聞こえた私の心が病んでいるのです)」
食後は 自家製リモンチェッロ(レモンのリキュール) と、自家製マンダリンのリキュール、 自家製バラのリキュール。お酒も入って大いに盛り上がる南イタリアファンの集い。 ジュゼッペさんは明日の作業があるからと、酔客を横目にとっととお休みになってしまいました。
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