封切り当時センセーションを巻き起こした映画、『ティファニーで朝食を』
オードリー・ヘップバーンのお洒落で自由奔放な魅力の虜になる『ティファニーで朝食を』 |
ホリーは複雑な家庭環境の中で育ち、本当に男性を愛することを知らず、明日のことは考えない名無し草のような若い女性。『ローマの休日』でプリンセスを演じたオードリー・ヘップバーンのような女性より、少し寂しい影を持ち、実際にドラッグやアルコール中毒に苦しみ、妖艶な魅力を持つマリリン・モンローの方がこの役に近いと思ったのです。
しかしながら、パラマウント社はオードリー・ヘップバーンを選び、彼女もこの複雑なホリーの性格・個性を見事に演じました。ホリーはマンハッタンのアッパーイーストサイドのアパートに住むコールガール。お金持ちの男性からの貢ぎ物で生計を立て、いつかお金持ちの男性と結婚することを夢見ながら、自由気ままに暮らしています。1961年封切り当時には、どちらかというと優等生的オードリー・ヘップバーンがコールガールを演じたということでセンセーションを巻き起こしました。保守的な人は「コールガールが映画のヒロインになっては子供への影響がよくない」とボイコットしました。
一方で大部分の人はオードリー・ヘップバーンの小悪魔的な魅力、自由奔放さ、そして美しさに魅了され、大ヒット作となりました。ジバンンシーを着こなしたファッションは世界的に話題となり、オードリー・ヘップバーンがギターを片手にバルコニーで歌った『ムーンリバー』はアカデミー賞の最優秀主題歌に選ばれました。
『ティファニーで朝食を』
[Breakfast at Tiffany's]
《監督》ブレイク・エドワーズ
《出演》オードリー・ヘプバーン, ジョージ・ペパード, パトリシア・ニール, バディ・イブセン
1961年/アメリカ/114分
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