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離婚、失明の危機…思い通りにいかないのが人生! 40代で写真家を目指した女性

日本では養護学校の教師をしていたにもかかわらず、アートを追い求めるために40代でNYへ渡った写真家(アーティスト)にインタビュー。

執筆者:溝口 弘恵


30代はもちろん、40代でシングルなんて日本でも珍しくなくなった昨今。NYじゃあ、ずーっと前からウジャウジャいる。だからこそ、周囲から変わった女だと思われることなく、夢に向かってやりたいことができる!

今回インタビューさせていただいたのは、20代で結婚、出産、離婚を経験し、40代でNYにて写真家(アーティスト)として再デビューをかざった出羽庭子(でわていこ Teiko Dewa)さん。日本では養護学校の教師をしていたにもかかわらず、アートを追い求めるためにNYへ渡ったのだ。

失明寸前だった40代の女性が、写真家を目指してNYへ渡る

Title : Flame ©Teiko Dewa
Title : Breath ©Teiko Dewa

写真家を目指したきっかけは?

「障害児教育の免許をとってから、10年以上、体を動かすのが不自由だったり、認知障害といわれている自閉的傾向の子供たち、重い障害から軽い障害までいろいろな障害を持つ子供たちが勉強している養護学校に勤めてきました。そうした子供たちに接しているうちに、私を含めて人間ってどうやってモノを見たり感じたりしてるのだろう?というテーマが浮かんでいたんです。

もう一つは自分自身のことなのですが、突然に右目が出血を続けて、失明するかもしれないと医者に言われ。出血の原因はストレスだったんですが・・・。失明するかもしれないと思いながら床に伏してる間は、不安でいっぱいでした。特に目を患うっていうのは、骨折や他の病気みたいに本を読んだりできなくて、寝てるしかないんです。

人間って五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)を使っていて、中でも視覚は人間が外からの受ける情報として、およそ80パーセントをしめると言われています。その視覚を失うかもしれないわけですから、それがきっかけで色々なことを考えました。

ふだん忙しくしていたせいか、自分の中に封じこんでて感じることのなかった怒りや悲しみ湧きあがってきて、どうにもならなくて。自分から逃げることができずに、ただ泣くばかり。こうなった原因は私以外にあるんだって人のせいにしてました。

こんなことを話すのは、あまりにパーソナルなので気恥ずかしいのですが、ふとした瞬間にどういうわけか、私が苦しめられていると思いこんでいたモノや人に対して、『どうか幸せで、良くありますように』と、心から思う練習を始めたんです。自分自身にわきあがった啓示のようなもので、その時は、それしか方法がないって。それでも、はじめは苦しいばかりで、やっぱり泣いていました。

時が経過するにつれ、心の中にわだかまっていたエネルギーが動き始めたのが自分でもわかりました。他に対して良くあれと願うのは、自分に対して同じことをしているのだということを、実感できたんです。

不思議なことに、しばらくして出血も止まり、主治医には「奇跡的」といわれるほど回復しました。今でも私の右目がとらえる世界にはドーナツの形をした影がついてまわっていますが、これは私だけに見えるチャームポイントのようなものですね」
ご本人からいただいた出羽さんご自身の写真も、やっぱりアートしてる。©Teiko Dewa
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