【第一位】「新・三種の神器」の標準装備化。
お部屋に露天風呂、誰も入ってこない客室。新しいスタイルは、プライバシーが保たれ、評価が高い。 |
今年も、再生宿を含めて、各地で多くの新しい宿がオープンしました。
それを見ていて思うもの。それは・・・
◆専用露天風呂とデュベ(羽毛布団)付きシモンズベッドの客室。
◆個室やオープンキッチン付きの和食ダイニング。
◆温泉に加え、エステやスパなどトリートメント機能。
という、新・三種の神器が、完全に標準装備化されてきたこと。
その背景には、「食事のお部屋出しなど接待や布団敷きサービスを省く」という、極力プライバシーを確保するシステムを採りながら、「人件費を削減」し、「宿泊及び消費単価をアップ」できるという合理的な理由があります。
加えれば、「有機・自然食を使った和風創作料理」や、「外国製アメニティ」に、「ダウンライトや間接照明をフル活用したライティング」や、「マッサージチェア」に、「作務衣など田舎っぽいユニフォーム」と、若干・・・おいおいここも同じかよ、というきらいはあるものの、これまでの団体旅館イメージを覆し、戦後生まれのカップルユースを主ターゲットにした新たな潮流が、大きな流れになったと言えましょう。
ただ、これがいつまで続くのか、という危惧はあります。このまま行けば、かつてどの旅館も、大きな露天風呂と、量の多い会席料理に、女将営業、という三種の神器でグループ客を追ったように、個性が個性でなくなっていきます。もっと「他と違うことをやる」旅館もどんどん増え、多様化していくことを願っています。
あと、カタチから入りすぎると、たまに、主に女性からこんな苦言をいただくこともあるようです。
「部屋の露天風呂、寒すぎて入れない」、「自然食はいいけど、都会のランチのような質素な料理」、「あまりに簡素すぎる、つまらない売店」、「薄ら寒い掛け布団」、「自由に動かせず、髪からずぶ濡れになるレインシャワー」、「今どき禁煙席のないダイニング」、「経営書が交じったライブラリー」、ってどうよ。
男性に連れてきてもらったなら、文句は言えませんけどね。
それでも、画一的な旅館システムを革新した点を高く評価し、今年の第一位!
そして、第2位は次ページ。