有馬温泉「奥の細道」(2ページ目)

大田マジックの真骨頂

ふわっとした綿飴は雲海のよう。雪が解けてふきのとうが芽吹く「雪解け鍋」もある。

初夏らしい華やかで涼しげな、先付けの盛り合わせから料理は始まります。
大田料理の最近の名物は「雲海鍋」。牛すき焼きの上に綿飴がふわっと乗せられ、金粉がかけられています。火にかけると、綿飴が溶けていくという演出。
女性に受けそうでしょう。
最近の繁盛旅館の鉄則として、料理は、「宴席に花を添える脇役」ではなく、“サプライズな演出”を伴う、それ自体で「話題をふりまく主役」でなければならないのです。
そのなかで、原価はほとんどかけていないのに、素晴らしいマジックを見せていただいたのがデザート。

台湾製のガラスボールに入れられてきたのは、オレンジジュース。そして、調理人さんが取り出したのは、特製容器に入った液体窒素。そして、それをかける。ドライアイスのけむりが一斉に立ち上がります！

そして、手元では、ジュースをぐるぐるとかき混ぜます。もう一回、ドライアイスをしゅわー。ぐるぐる。ぐるぐる・・・。

すると、見てのとおり、オレンジシャーベットの出来上がり。家庭では簡単にできないけれど、実に簡単なデザートマジック。暑い夏の日に、ひんやりデザートの出来上がりです。

旅館は、業態多様化の道を歩んでいます。
料理の技術と演出で魅せる宿があってもいいですね。
この次は、イタリアンとか、ジビエ料理の宿とか、かもしれません！

---

天地の宿「奥の細道」
兵庫県神戸市北区有馬町字大屋敷１６８３－２
電話　０７８－９０７－３５５５
Yahoo!地図情報