泊食分離料金のメリット、一泊二食のデメリット

エースJTB「湯とお部屋を楽しむ宿」
06年1月~3月限定販売の「湯とお部屋を楽しむ宿」。首都圏のJTBで販売。
村田和子さんがガイドを務める「旅の便利・お得情報」サイトで、「限定発売~有名温泉旅館に3,000円で泊まる」という記事が注目を浴びています。
これは、旅行会社のJTBが、06年1月11日~3月31日限定で、北関東・新潟地区の温泉旅館7軒を対象に発売した「素泊まりプラン」の紹介記事。「湯とお部屋を楽しむ宿」(そのものそのままのネーミングですが、要は“食事なし”ってことですね)と銘うたれた商品の、例えば、対象旅館の一軒である日光千姫物語のお部屋料金は、平日に5名一室の時、「一人3,000円」。2名一室なら「一人7,500円」。つまり、平日は一部屋15,000円のお部屋が売られているってわけ。休前日は、一部屋19,200円になります。

食事はどうするのかというと、これはオプションで別料金。日光千姫物語の場合は、夕食は、いずれも会席で、5,800円、7,900円、10,000円の3コース、あるいは4,200円のお子様メニューのうちから選択します。朝食は一律で、2,700円。
ということは、休前日に2名一室で宿泊すると、真ん中の料金の夕食を選んだとき、一泊二食18,100円ということになるわけです。
なーんだ、食事付いたら、そんなに安くないじゃん。
そんな声も聞こえてきそうですが、ふふふ・・・、それが消費者の甘いところ。旅館のつけ入る隙。高い、安いの感覚は、人によりいろいろかもしれませんが、一泊二食で売る限り、お部屋代と食事代などの内訳を表示する必要がなく、いくらで売るかは旅館の勝手。
でも、皆さんは一体、いくらの部屋といくらの食事を買っているのか、おわかりなのでしょうか。一泊二食の値段だけを見て、内容がわかるのでしょうか。あんなに払ったのに、この内容?、と思われたことはないのでしょうか。
そう、一泊二食料金は、どうにでも操作できるのです。
お部屋というのは、「客室タイプによって価格が変動」するうえ、「需給バランスでも価格が変動」します。オンシーズンや土曜日が“通常料金”で、オフシーズンの平日のように需要が少ない時期には“割引”になります。
一方、食事というのは「食材原価やサービスの程度により価格が変動」します。つまり、シーズン・曜日など関係なく、「中身によって価格が変動」します。これは、ホテルの場合と同じですから、おわかりですよね。
それを、ごっちゃにして一泊二食で売ったとき、めちゃくちゃ多くの組み合わせができるはずなのに、一泊二食料金は割とシンプルですよね。これって・・・?
そう、往々にして「良い部屋には高い料理」「安い部屋には安い料理」という組み合わせで固定して売られていることが多いのです。つまり、一泊二食料金では、高い客と安い客が、既に予約の段階で分けられていることが多いのです。
それでも、まだ、旅館の99%が一泊二食販売。
ところが、ついに旅行業大手のJTBをもってしても、客室と食事料金を分けて販売し始めたのです。これは、いよいよ、曖昧な「一泊二食制の終焉」か!?
いえ、どうも、まだまだ、そうではないようです。
では、なぜ、JTBが「素泊まりプラン」を始めたのでしょう。その事情は、次ページで。