1泊2食はだまし!?
「観光会議きゅうしゅう2005冬号・新春座談会」よりじゃらん編集長 「じゃらん」のターゲットはファミリーとカップルで、その層が旅館に求める料理とははっきりしていて、(1)品数が豊富、(2)見た目が豪華、(3)伊勢海老・カニなど一品際立つものがある、この3つなんですよ。条件を満たした写真をバーンと誌面に出し、ビジュアル的に訴えると集客効果に差が出てきます。
ぶどうの樹小役丸 はっきり言っていいですか。(我々旅館のやっている)1泊2食というのは(派手な料理を安く見せる)「だまし」なんですよ。例えば(伊勢海老やカニで)15,000円というと(全部料理代のように感じて)安く感じるけど、実は食事は5,000円、部屋が10,000円というと、逆に「えーっ、この部屋に1万円もするの?」と高く感じるんです。(中略)とはいえ、旅慣れた方なんてほんのひと握りで大半は大衆。その層を狙うとじゃらんの料理みたいになります。でも、その料理で2~3回は感動するけど、5~6回行くと「もう、よか」になる。それを旅館がどう見ているのかが大事。この料亭風会席料理、僕に言わせればあくまで「風」でしかない。料亭風であり、京都風。(中略)例えば、アワビの値段知ってますか。サザエの10倍くらいする。でも、お客さんわかってないですね。値段の違いを知らない怖さ。ニセモノが出てくる怖さもあります。旅行会社から「カニ食べ放題でやってくれたら送客します」って言われるけど、それは違うやろ。
外装は「天国から親父が見ているから」と昔のままを変えない八幡屋。 |
本当に「安くて、子供に安心してお腹いっぱい食べさせられ、ホンモノを教えられる食事は何か」。それが、安くて伊勢海老バーン!の料理でも、安くてカニ食べ放題!の食事でもないことは確かです。
もちろん、見栄を張りたいときなど、エビ、カニは重宝です。でも、時期外れ、場所違いのエビ、カニは、それは「釣り餌」だと解っていかねばなりません。原価が数百円なのに海外モノ冷凍品以上のものが出てくると期待してはいけません。でも、その誤解を数回体験すると、いい加減だまされなくなります。そんな時、安くて本当においしくて安心できるものを提供する旅館が欲しくなる。でもこれが、なかなか見つからないんです。なぜって、広告出す必要ないですから・・・。
八幡屋は、「健康ビュッフェ+季節の活魚」の夕食で、一泊二食9,500円です(健康バイキングだけなら大人1,700円、子供1,100円)。海水浴場の目の前なので、ファミリーにもカップルにも最適です。
でも、小役丸さんに何度も言われたことがあります。それは「うちは、とにかく設備が少なく古いんです。部屋にはトイレもない。防音も完璧ではない。」必ず、安い料金には安くなる理由があります。八幡屋さんの場合、それは、部屋の設備だということです。それを知らずに9,500円で来ると、文句を言う客が出てしまうのでしょう。
毎年のように、夏になると、メディアの皆さんから「安くて良い宿」を教えて欲しいと相談を受けます。それも「人気スポットの宿を裏技使って格安で週末に予約する方法」まで・・・。もちろん、そういうネタでないと、広告が付かないのはわかります。しかし、広告主ありきの「一方的情報」ばかりが氾濫しているので、消費者が、全てが完璧の宿ばかりと思い込んでしまっているような気がします。
雑誌編集者さんたちも、「本当はそんな広告取りのためのネタばかりやりたくない」とホンネをおっしゃいます。でも、まだまだ、日本では、広告主様のために客を惹きつける大衆向け「釣り餌」情報ばかりが多いような気がします。
その日の魚に一仕事加えて海を眺めるカウンターで供される握りたてのおすし。 |
え、九州は遠いって?
それでは、日本でも、第二の八幡屋がでてきますよう、私と一緒にもう少し待ってみませんか。
50種類の惣菜が並ぶ健康バイキング。 |
http://www.budounoki.co.jp/yahataya/yahataya.html
福岡県遠賀郡岡垣町波津海岸
093-282-0031
博多、福岡空港から車で約60分、JR海老津駅から車で約10分。
一泊二食付き9,500円(税・サービス料込み)~
地図 Yahoo!地図情報
参考リンク 「健康食を楽しむ宿・レストラン・料理教室」from All About 食と健康