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温泉宿の「寝湯」に注目! 「寝湯」の快楽(2ページ目)

浅いぬるめの湯に横たわり、カラダを浮遊させること数分間。全身脱力できる寝湯はリラクゼーションと血行促進に効果が高い入浴方法。あなたも試しに行きませんか!

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

そして、贅沢な湯量の寝湯だったのが、北海道・温根湯温泉の大江本家。屯田原野に湧く温泉は、アイヌ語で「大きな湯の湧くところ」の名のとおり、宿には数本の源泉合計毎分300リットルのブレンド泉がザバザバと流されています。うっすらと硫黄臭のする湯は高アルカリ泉で、いつまでも石鹸がとれていないようなぬめぬめ感がお肌を守ってくれます。例えば、冬の北海道。オホーツクの流氷を見て、雪の原野を見ながら寝湯。「最高!」と思うのは私だけでしょうか!

これからの寝湯のスタイル

寝湯付き貸切露天風呂
御宿飛水の寝湯付き貸切露天風呂。
さて、単なる設備だけでなく、いかにリラックスできるかが温泉に求められている昨今、「人前で浮く」というストレスから解放されることが、寝湯のターニングポイントかもしれません。
「貸切露天寝湯」とか「客室露天寝湯」なんてのがあったらいいですよね。ぬるめの湯に浸かりながら、人目を気にせず、月夜の下でぷーかぷか。
と思ったら、ありました。
ポスト黒川の呼び声高く、もう一軒の露天風呂のもらい湯ができる「のくとまり手形」も人気の奥飛騨・福地温泉は御宿飛水の「寝湯付き貸切露天風呂」。自家源泉の重曹泉100%掛け流しという贅沢な湯量まで付いて、冬なら「雪見・貸切・露天・寝湯」ができるという、これぞ温泉の醍醐味でしょう!
さらに、これからは「岩盤浴」という寝湯のスタイルが流行の兆し。
もともと岩盤浴は、秋田・玉川温泉の山肌の岩盤の地熱を使った療養が始まりと思われます。
玉川温泉の岩盤浴
玉川温泉の元祖・岩盤浴。
玉川温泉は自然の岩盤のうえにテントを張りゴザを敷いて温浴しますが、新館の新玉川温泉では、人口岩盤を大浴場内に再現。そして今、そうした人口岩盤による寝湯が各地の温泉宿で増え始めています。例えば、磐梯熱海温泉の磐梯向滝や、函館湯の川温泉の湯元漁火館など。
もともと、「施浴」が本格化する前の古代の温泉は、「蒸し湯」という薬草を敷いた穴倉に湯を撒いたミストサウナ状態のものに「寝る」のが主流でもありました。
現代人のリラクゼーションの追及は、イコール原点回帰とも思える昨今、「寝湯」というスタイルに注目していたいと思います。まだまだ、寝湯は変化、開拓の余地がありそうです。


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