【中級編】 西穂山荘
長野県・北アルプス西穂高岳(標高2,360m)
さあ、ここからはトレッキングシューズや登山靴、雨具も傘ではなくポンチョが必要な中級向けの「山小屋」コースです。布団もちゃんとある個室の宿ではありますが、お風呂はありません。水も希少です。まさに自然の中に入っていくコースですが、小学校中学年くらいなら、充分楽しめ、よい体験になることでしょう。
西穂山荘へは、岐阜県の新穂高温泉から延びる新穂高ロープウェイを乗り継いで行きます(2階建てのゴンドラがすごい!)。終点の西穂高口からはいよいよ登山道。針葉樹の樹林帯を歩んでいきます。普段なまけた体にはいい運動です。休憩しつつ歩き始めて約2時間。石がごろごろした急登を過ぎ、小屋の自家発電の音が聞こえてきたらすぐ視界が開け、西穂山荘の三角屋根が現れます。
ここはちょうど森林限界になっていて、すぐ上からは低いハイマツの世界。眺望が開け、廻りは全て山と雲。ここまで来るとホント雲上の世界も絶景です。
山荘はログハウス風山小屋で、6畳の清潔な個室があります。食事も質素ですが、美味しくいただけます。しかし、稜線上なので水が僅かしかありません(水筒への給水は有料)。水とビールは多少重くとも持参するのがベターでしょう。頑張って。
【中級編】 高見石小屋
長野県・北八ヶ岳高見石(標高2,300m)
次は、静かな北八ヶ岳の山小屋です。北アルプスに比べ、渋い木造の小屋が多い地域です。昔、アウトドアをかじったという方や、自然派のファミリーには、北アルプスに比べると混雑も少ないことからおすすめです。
高見石小屋へは、麦草峠の有料駐車場に車を置き、丸山または白駒池を経由して、約90分。往復でルートを変えるといいでしょう。針葉樹林帯の静かな山道です。ただし、倒木やガレ地(石がごろごろしている所)もあるので、足元はトレッキングシューズか登山靴で固めておくことが必要です。
高見石小屋は、ランプに炭ストーブが似合う、日本の伝統的な山小屋。2,000~5,000円の個室料を加算すれば、3~6畳の個室の利用が可能です。すぐ裏の高見石に登れば、浅間山や富士山、北アルプスが雲海上に浮かび、ご来光も拝めます。小屋の周囲のテラスにはいつもリスがやってきて餌のおねだり。望遠鏡も置いてあり、星空や野鳥観察にももってこいの環境です。
【上級編】 白馬山荘
長野県・北アルプス白馬岳(標高2,832m)
なにやら登山ガイドのようになってきましたが、この宿が最後のご紹介。3,000m近い山頂のパノラマが愉しめる究極コースですが、山麓でアイゼンを借り、大雪渓を一日かけて登っていく本格登山コースでもあります(登山者にとっては、実は北アルプス入門コースなのですが)。登山靴を履き、雨具とストーヴを持って、究極雲海コースを極めましょう。小学生でも6年生くらいなら頑張れます。
白馬山荘は、1,500名収容の日本最大の山小屋。そして、山小屋なのにツインの洋室や床の間付きの和室などをチャレンジングに造ってきた宿でもあります。1号館は従来通り相部屋雑魚寝の一般室。2号館は2畳の屋根裏風個室があり、3号館は洋室・和室の個室棟。 3,000mのパノラマが楽しめ、生ビールも飲めるレストランもあります。夏は大学の診療所も開設されます。(山小屋なのでお風呂だけはありません。なお携帯も圏外ですので念のため。)
白馬岳へは山荘から徒歩20分。ここまで来ると、さえぎるもののない360度の展望。究極の雲海パノラマが楽しめることでしょう。白馬山荘より少し下の村営頂上宿舎にも個室があります。
下りは白馬大池を通り栂池高原か蓮華温泉に下りるとよいと思います。
この夏、今までと違った、雲上のバケーションはいかがでしょう!
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