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この夏に泊まりたい「雲上の宿」(2ページ目)

標高2000mを超える山上での宿泊体験。この夏、チャレンジしてみませんか!?雲のベッドに寝てみよう!

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド



【初級編】 みくりが池温泉
富山県・立山室堂平(標高2,410m)

前頁でご紹介した、ホテル立山(バスターミナル直結)から室堂平からハイキングコースを徒歩15分。室堂カールの中心、碧い雪融け水を湛えたみくりが池のほとりに「日本最高所」の温泉宿「みくりが池温泉」が建っています。何といっても、ここの特長は、立山連峰が間近に迫る迫力や、高原の眺望はさることながら、すぐ下の日本三大霊場(恐山、立山、白山)「地獄谷」から引湯した“ピュアな硫黄泉”。小さい浴槽ながら、湯質の良さが登山者にも評判です。
質素ながら富山の味覚も入った和定食の食事が付いて、個室で約10,000~13,000円。雲上の宿に、極上の硫黄泉が付いてこの値段なら納得です。
みくりが池の周囲のハイマツ帯は、絶滅も危惧される特別天然記念物「雷鳥」の生息地。運がよければ雷鳥にも会えるかも。


【初級編】 高峰温泉
長野県・高峰高原(標高2,000m)

近くの浅間山の標高とさほど変わらない、湯の丸・高峰山系の稜線上に建つ一軒宿。首都圏からさほど遠くないことから、リピーターも多く、週末や夏休みなら早めの予約が必要です。
建物は、一見住宅風ですが、館内にはランプや暖炉が灯され、山の宿の雰囲気満点(電気も通っています)。お部屋も旅館並みで快適だし、食事も質素な山料理(こんにゃくの刺身や山菜など)だけど、丁寧に調理されていて美味。
飲泉もできる温泉は、痛風や肝臓病にもよいとされる炭酸水素塩泉。硫黄臭のする白濁温泉の脇に源泉(冷泉)が満たされ、温泉と冷泉の「交互浴」が疲れを取っていきます。
夜は星空教室が開かれ、望遠鏡で夜空の星を眺める体験も・・・。朝は小鳥の声で目が覚め、運がよければ雲海が望めます。雲上の宿をベースに、高峰山(徒歩1時間)をはじめ、初級者向け(運動靴でもOK、トレッキングシューズならなお可)のハイキングが楽しめる「山の温泉宿」です。
冬期間はアサマ2000スキー場から宿まで雪上車で送迎となりますが、春以後は宿まで車で入れます。

※昨年は、5月には既に7月20日~8月いっぱいは満館になっていました。夏に泊まるためには、静かな秋や冬に訪問または電話で来夏の予約をしてくる必要があるよう(さらに夏は混雑のため極力3~4名以上一室をお願いしているとのこと)です。


【初級編】 ホテル千畳敷
長野県・中央アルプス千畳敷(標高2,612m)

日本一標高の高い地点に届く「駒ケ岳ロープウェイ」に乗って行く「千畳敷カール」。天に突き刺すように尖った宝剣岳直下に広がる広い谷で、2万年前の氷河の名残と言われています。夏には一面200種類を超える高山植物のお花畑となり、高山植物ファンには垂涎の地。その中央、ロープウェイ駅と直結して、通年営業・日本最高地のホテル「ホテル千畳敷」があります。ホテルといっても、ホテル立山のように格式は高くなく、和室(バス・トイレ別)が中心の“公共の宿風”です。
ここのピカイチは、雲上から昇るご来光。天気がよければ富士山のシルエットや、後ろを振り返れば宝剣岳が紅く染まるモルゲンロートが見られます。
夏休み期間中は特に人気が高く、早めの予約が必要です(ロープウェイも時間によっては長蛇の列)。それだけ、稀少なホテルなのでしょう。
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