張りのある鮎 自然の中で鍛えられた美です |
ダムが無い全国有数の清流、高津川
氷で締められた鮎は死後硬直してます |
ダムが無いから、年中、自然な増水が川底を洗い流す。
雪解けの水であれ、梅雨の水であれ、台風の水であれ、高津川は自然な増水で川底にたまった泥などが流され、鮎の餌となる川苔が生育するには絶好の環境にあります。
川苔の質が良いから鮎もうまい。
当たり前のことですが、水質良好で餌も豊富であれば、鮎はうまくなります。
骨抜きの技を自慢するなどは鮎食い道にそれる
小ぶりでも顔に主張があります |
果たして、その食べ方が良いのか?
「五・六寸(すなわち16センチ前後)の鮎を頭から食すのが真の鮎食い」とした、北大路魯山人の言葉。私は賛成です。
私の生家は静岡の大井川のすぐそばにあり、子供の頃から鮎をよく食すので、鮎には思い入れがあります。
確かに落ち鮎の頃、錆び色をまとった大きく育った鮎 それも子持ちを食べるのも美味ですが、やはり、小ぶりの鮎を頭から「がぶがぶ」と食すほうが美味だと思います。
大きくなれば肉質が荒くなり、子や白子を持てば、当然、そちらに身体の栄養が移るので、肉質 特に上質な脂は肉や肝から減るのは確かです。
鮎の味を決める大きな要素 それは皮・身・内臓 この三つ
美しい鮎 全てを堪能するのが掟です |
さっぱりとそれでいて、しっとりと脂を蓄えた身。
川苔の味を色濃く反映した内臓の甘みと苦味。
この三種混合味覚に骨を交えた食感 ひれに付いた塩などなど、小さな鮎といえども、奥が深い日本人の旬の素材です。
よく、背中部分の身を「ガブ」と食し、「お腹の方は小骨が気になるからいや、内臓は苦いからいや」などと言語道断の悪態をついている人を見かけますが、そんな人には鮎をめでる資格はないと私は思います。
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