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モンゴルの伝統料理 チャンサンマハ(2ページ目)

悠久の大地を想い、巨大な肉塊に挑む。水と岩塩と羊。一切他には足しも引きもしない。これぞ人類原点の料理かもしれない。

執筆者:萩原 章史

オーストラリアの契約農場で特注した羊肉の塊を調理する

モンゴルの伝統料理チャンサンマハ
特注の羊のお肉
相談したところ、私が食べたい肉の塊は日本では通常は販売していないそうです。そこで。今回は東洋肉店さんの特注ラム肉で、チャンサンマハを再現しました。
モンゴルの羊は輸入されていないので、オーストラリアの東洋肉店の契約農場に頼んで、この料理の為だけに特別カットをお願いして、輸入してもらいました。

チャンサンマハの作り方

モンゴルの伝統料理チャンサンマハ
水からゆでるのがモンゴル流
1:チャンサンマハにして一番美味しい部位は、肩ロース肉・首肉・肋肉・肩肉の集合体の部分です。この塊をさっと水で洗い、ひたひたの水(今回は6リットル)を入れ、強火にかけます。

塩はもちろん、モンゴルの岩塩。塩茹でですから、ここは塩にこだわって欲しいです。

※玉ねぎや長ネギを入れて煮込んでも良いですが、私はオーソドックスに塩だけです。

モンゴルの伝統料理チャンサンマハ
脂身の部分もかなり美味
2:水から羊を茹でる。塩加減はお好みで。
塩の分量を特定することは難しいです。なぜならば、塊の骨付き羊肉がすっぽり収まる鍋の中に塊肉を横たえ、ひたひたの水を注いだら、どのくらいの水量になるかわかりません。たぶん、5リットル~8リットルくらいだと思います。その分量に応じて、50g~80gは塩を入れる必要があります。塩加減はパスタを茹でるくらいですが、これも料理人によりますので、1リットルに対して10g~15gと考えると、やはり、5リットルに対して50g~80gは必要だと思います。

肉を美味しく食べることを重視するのであれば、少ししょっぱめ。スープを生かしたいのであれば、塩分控えめです。ただ、やはり、今回の料理は羊の肉を食らうものですから、少々塩からめがおすすめです。
塊の肉の中までは中々塩気は入りませんので、しょっぱめの茹で汁でも、肉はおもったほど塩辛くなりません。

モンゴルの伝統料理チャンサンマハ
仕上がりが近くなり、スープは澄んでいます
3:火にかけてからはじっと待ちます。灰汁は最初に強火で沸騰したところを、一気に引きます。沸騰する前にちまちまと灰汁を取ると、灰汁がスープに残りやすいです。

沸騰して、スープ内の灰汁が一気に上がったところで、さっと灰汁を引き、弱火にします。あとは、ひたすらコトコトと茹でます。

茹で時間は弱火で2時間くらいです。その間、肉が茹で汁から出ないように、水が減れば、水を足します。もちろん、灰汁も取ります。

2時間も茹でたら、肉がぱさぱさになってしまうのでは?と心配される方もいるかと思いますが、心配は無用です。弱火で茹でれば、茹で汁の温度はせいぜい92度~99度くらいです。意外に塊の中までは火がとおりません。肉の中はピンクです。

モンゴルの伝統料理チャンサンマハ
重たいので茹で汁から出すときは注意
4:茹であがったら、熱々をひたすらナイフで削って食べます。大きな塊肉ですから、少なくとも5人は堪能できます。主役の方が仲間に切り分ければ、一気に宴会も盛り上がると思います。
本当にシンプルなのに美味です。この味わいは食べたことがある人以外にはわからないものです。

それぞれの部位で個性がありますし、何といっても骨髄も美味です。また、骨周りの筋のコラーゲン系の部位も力強いです。長時間煮込んだトロトロ肉ではないので、しっかりとした歯ごたえです。この食感がまた良いです。モンゴルでは首の骨の周りの硬い部分を子供に与え、歯固めの役に立てるそうです。

非常にワイルドな料理ですが、肉本来の味を間違いなく堪能できます。また、塊を切り分けることで、命あるものを食べている実感が込みあげてきます。

一塊で5人は堪能できますので、かなりお安いと思います。残ったスープは少し塩気が強いので、葱たっぷりのうどんのスープにしたり、ラムカレーに使ったりしてください。意外に海苔とも合いますので、私はたっぷりの葱と海苔と卵で雑炊にしましたが、これがまた温まります。
この料理 出来れば、荒涼とした大地で味わいたいものです。

【お取り寄せ情報】
東洋肉店
特別な企画なので若旦那にお問い合わせください。

【前回、ご紹介した産直品】
・丹後半島沖の冬の味覚 松葉蟹とせこ蟹

【12月の産直品といえば、コレ!】
・世界最大の果実 晩白柚

・旨味成分たっぷり 幻のキノコ 本シメジ

・本場米国チェサピーク湾産 ソフトシェルクラブ

・5ヶ月目の特別な牡蠣 オイスターヌーボー
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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