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年間12~13頭しか流通しない幻の牛肉 天然記念物「見島牛」の牛丼

年間12~13頭しか生産されない、天然記念物の見島牛。日本海の孤島にひっそりと生きる、和牛の純血種。霜降りDNAは見島牛にそのルーツが。その幻の見島牛で、牛丼をつくる!

執筆者:萩原 章史

見島牛の牛丼
脂がうまいバラ肉と、赤身のうまいもも肉の切り落とし

見島牛とは?

見島牛の牛丼
使役牛だった見島牛は粗食でも力が出るように、霜降り体質になったようです
明治維新後、牛肉や豚肉を食べるという西洋の食文化の導入に伴い、古くから役用牛として飼われてきた和牛を食用牛として改良を行ってきました。外国の品種を導入し交配させた結果、日本古来の純粋な和牛は姿を消していったのです。

山口県沖の日本海に浮かぶ見島は離島という環境であったため、ここに住む牛(見島牛)は他の品種との交配を免れ、和種としての原型を今日までとどめています。昭和3(1928)年 日本で唯一の純粋和牛として国の天然記念物にも指定されました。

天然記念物の見島牛が食べられる理由?

見島牛の牛丼
萩・見島の見島牛放牧場/厳しい日本海の気候に耐えて、見島牛は育ちます
見島牛は生産率が40%と低く、年間25頭ぐらいが生まれます。その内、約半数が雌で、天然記念物に指定され、保護・飼育されます。残りの半数の雄牛は去勢され、肉用となります。年間12~13頭だけが市場に出回る理由は、この去勢牛がほぼ月1頭のペースで食肉用に処理されるからです。

見島牛の魅力は?

見島牛の牛丼
もも肉は美しい赤身です
厳しい自然環境の中、草だけで、良質な筋肉を維持し、寒い日本海の冬をしのぐ為、見島牛は良質な赤身と脂肪を交雑(霜降り)する能力が高まってきたと言われています。つまり、赤身も牛脂もうまい、天性の素質を持っているということです。


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